中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第86回
古陶磁器の楽しみ方

古陶磁器の楽しみ方とはどういったものでしょうか?
それは人によって様々ですが、
基本的に言えば大きく3つに分類できます。

「鑑賞して楽しむ」
「使って楽しむ」
「利益を楽しむ」

この3つの楽しみ方です。

日本の古陶磁器は「使って楽しむ」という事が中心となります。
それは、日本には茶道という素晴らしい世界が存在するからです。

世界の中で日本の場合だけが特殊で、
何百、何千万円という古陶磁器を「茶道具」として
惜しげもなく使用します。

そういう日本の特殊事情の中で、
古陶磁器は「茶道具として使えるか否か」という価値観によって、
判別されてきました。

中国古陶磁器も同じで、
茶道具として使える「侘び寂び」を
感じる事のできるようなものだけが認められ
高額で取引きされてきました。
逆に世界で評価が高い清朝の官窯磁器、
その中でも煌びやかなものなどは
日本では全く人気がなかったのです。

そういう流れに変化が出てきたのが、
戦後の復興も随分進んだの頃の事です。
当時の文化人達が「鑑賞陶器」という言葉を使い出し、
茶道具として使えない中国の古陶磁器にも
スポットライトを当て始めたのです。

日本が経済的に復興していく過程で、
一部の金持ちが鑑賞したり自宅を飾る為に中国古陶磁器を含め、
茶道具以外の古陶磁器にも興味を持ち出したのです。

そしてもう一つ。
骨董の世界の根底に流れるのは
「利益を楽しむ」という事でしょう。
なんだかんだ芸術的な事を言っても
「これは売れば億の価値がある」などと
自分勝手に思っている事が骨董を持つ楽しみの一つなのです。

実際、掘り出し物で大儲けする事もあります。

随分前の事ですが、
ヨーロッパの雑貨屋の店先にずっと置いてあった汚れた傘立てが
国際的なオークションで今の価値なら1億円以上で落札されました。

実はその傘立ては「中国元時代の青花磁器の大壺」だったのです。

そういう事がたまに起こるから、
テレビの鑑定番組などの出演者は、
有り得ないニセモノを
中途半端に高い価格で買ってしまうのでしょう。

宋時代の磁州窯の徳利と杯

これで老酒を呑むと
「水滸伝」の時代にタイムトリップできる
 
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2008年4月28日(月)

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