中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第253回
誰も自分のお金では食べていない 1

今回も「中国古陶磁器に盛って映える料理」
略して、中国料理のコーナーの番外編です。

現在の中国では、
普通の人が自分でお金を払いレストランで食事をする光景は
特に珍しくなくなりました。
しかし15年程前の中国では
普通の人が中流以上のレストランで
身銭を切って食事をする事は一般的ではなかったのです。

それなのに、当時中国のレストランは
どこもよく流行ってよく儲かっていましたし、
私が90年代中頃に北京で経営していたレストランも
他店以上に儲かっていました。
今回はそのカラクリについてお話しましょう。

15年前、北京や上海の一般サラリーマンの給料は
1500元から多くて3000元という感じでした。

そんな貨幣価値の時代に、
あまり高級ではない普通のレストランでも
いざ宴会となると10人の宴席で2000元ぐらいは使います。
ちょっと高級な所なら簡単に3000元ぐらい使ってしまいます。

私のお店でも、個室の宴会客が使うお金は、
料理とお酒そして当時流行り出したカラオケの使用料や
専属服務員のサービス料などを含め、
最低でも2000元、良くお金を使うお客さんは
5000元ぐらい使うのが普通でした。

そんな個室が5室あり、
それが殆ど毎日満席でしたので、
一日の売り上げはそれだけで1万元くらいになります。
他の売り上げを合わすと1日1万5千元〜2万元となり、
一ヶ月では平均で
40万元(600万円)前後の売り上げとなっていました。

利益率の高さは以前のコラムでも書いた通りですので、
私だけでなく当時レストランを経営していた個人経営者の多くは
よく儲かり、儲けたお金で不動産投資などを始めた程です。

私は、お店を始めてすぐに、
中国の人は宴会にはけっこうなお金をかける事に驚きました。

しかし宴会では食べ残し散財する中国人も
自分の財布から使うお金になれば
突然ケチになる事でも驚きました。

私のお店は中流の上といった感じでしたので、
自分でお金を払う一般人もけっこう来ました。
しかし、そのような人の客単価は
30元(450円)にもならなかったのです。

それに対して、散財してくれるグループでの会食の客単価は
その5倍以上です。
その理由については、次回詳しくお話したいと思います。

 
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2009年5月22日(金)

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