話がうまくなれば仕事もできる
そういった意味では、私たちのようなプロ級の講演のマネをする必要はないけれども、三分間スピーチの練習をしたり、三分間スピーチの大会をひらいて、妍(けん)をきそったりするのは、時間を要領よく使うための習練になるように思う。
親しい友達が集まって、題をきめ、三分間ずつ立って話をしてみるとよい。時間係をおいて、話が終わった時に、「このスピーチは二分五十秒でした」とか、「一分三十五秒でした」とか、報告をする。逆に三分間が来てしまったら、話の途中でも、ベルを鳴らして中断してしまう。三分ときめているのだから、長すぎても短すぎてもいけない。自分では、三分も話をしたつもりでも、まだ一分もたっていないこともあるし、まだ何も本題に入っていないのに、もう時間を使いはたしてしまったという人も現れる。わずか三分間であるけれども、三分間の使い方だって、要領よく使いこなせない人間は意外に多いのである。
私の知っているホテル学校でも、また話し方教室のプログラムにも、三分間スピーチのコンテストが出てくる。一見、何でもないことのようであるが、三分間スピーチが見事にできるようになったら、スケジュールの組み方、お金の使い方、旅行の仕方、何でもずっと要領よくなる。結婚式に招ばれて、友人代表としてスピーチを要求されても、「突然、ご指名にあずかりまして、戸惑っております」
などと長い前置きを喋ったりはしなくなる。三分間できちんと終わってしまおうとすると、前置きをいっているヒマがないし、したがって、「前置きが長くなってしまいましたが」というセリフの入る余地もなくなってしまう。どうしても、ズバリ本題に入ってしまうよりほかないから、人は耳を傾けてくれるし、耳を傾けてもらえば、三分間も一分間くらいに短く感じられて、爽やかな印象を人に残すことができるのである。
出世のしたい人は、今からでも遅くない、三分間スピーチを面白おかしくきかせる練習をはじめたらいかがであろうか。
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