これに対して月給は、欠勤しようと、早引きしようと、原則としてきめられた月給は払う。
その理由は、いちいち監督をしなくとも、良心に従って企業のために働く人格の持ち主であると見なされているからである。従って日傭い労働者に比べると、サラリーマンは階級がもう一段、上にあると見なされ、つい戦前までは労働者の中のエリートであった。
しかし、汽車の三等が二等になり、二等が一等に昇格するように、労働者も時代と共に地位が向上する。とりわけ高度成長によって労働力の不足が生ずると、質の悪い労働力も十把一からげに売れるようになり、会社組織の自営業者も含めて働く者は大部分がサラリーマンになった。
サラリーマンは、原則は出勤も退勤も一応の規則があるが、その人格を信用された制度であるから、実際にどの程度の仕事をこなしているかはあまり問われない。ただそれをいいことにして、制度を悪用される心配もあるから、どこの会杜にも、勤務規定があって、きびしいところになると、タイム・カードによるチェックもされているし、欠勤したり、遅刻したりすると皆勤手当が支給されなくなるところもある。また有給休暇の規定もあれば、無断欠勤に対して罰則を設けているところもある。
反対に、社員の良識に期侍して、タイムカードのチェックもなく、営業日誌を書かされず、全く本人の自由意志に任されている鷹揚な会社もある。そのどちらが効率的であるかは業種によって違うし、企業のモラルの高さとも関係があろう。
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