ベッドの中の時間は節約できない 超多忙人間ほどよくモテる!
ある眠れない人の話
一日二十四時間あるけれども、何にどれだけ時間を使うか、振り分けていくと、自分の好きなように使える時間は案外少ない。
たとえば、睡眠に八時間使うとしたら、二十四時間の三分の一がそれだけで消えてしまう。
「人生の三分の一をそこですごすところです」とベッド販売会社のキャッチ・フレーズにされてしまうような話であるが、睡眠に使われる時間は、項目別に分類した場合、一項目としては一番多くの時間を占領している。そこで、多忙をきわめている人をつかまえてきく質問はハンコで押したように、
「睡眠時間はどのくらいですか?」
ということになる。
睡眠時間は人によって長短の差がある。また年齢によっても、長短の差が出てくる。「ナポレオンは一日に四時間しか寝なかった」というのは有名な話であるが、生理的に、四時間か、五時間、睡眠をとれば間に合う人もあるであろう。高校生の頃、新聞のゴシップ欄で読んだ記事に、オーストリアかどこか、とにかくヨーロッパのある国で、夜、どうしても寝られない人がいた。その人はふだん、昼間は他の人たちと同じように、働きに出かける。しかし、家へ帰って夜になっても、一睡もできないので、あらゆる新聞を買って帰って、朝が来るまで、隅から隅まで読むのだそうである。医学的に見ても珍しいことなので、大学病院で「死んだら、解剖をさせてくれないか?」と申し込んだ。そうしたら、本人が烈火のごとく怒って、「死んでもオレを寝かせないつもりか」と怒鳴りかえした、という。
小咄としてもなかなか上出来だと思ったので、いまも記憶に残っているが、はたしてそういう人が実在していたかどうか。仮にそういう人が実在していたとしても、あまった時間は新聞を読んですごしたのだから、大して有効に時間を使っていたとは思われない。事実、世の中には、時間がなくて困っている人よりも、時間をもてあましている人のほうが多いのである。
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