お店の二階が一番近い
十何年も前のことだが、別荘ブームのあった時に別荘地を買ってはいけないと力説したことがある。ちょうど高度成長の波に乗って、小成金が輩出し、それらの小金持ちを狙って、不動産屋が暗躍した時代のことである。
私が反対したのは、別荘を実際に持ってみればただちにわかることだが、まず別荘はお金がかかるわりには利用価値が少ない。はじめの間は珍しさも手伝って、まめにかよったりするが、すぐにあきて足が遠のいてしまう。修繕費や維持費のことを考えたら、そのお金でどこでも好きなリゾート・ホテルに泊まりに行った方が絶対トクなこと。
第二に、別荘地はあまり値上がりしないだろうこと。なぜならば実際に別荘を建ててみると、案外、役に立たないことがわかって後続部隊がなくなってしまうからである。従って、別荘が建っても歯抜けのような建ち方になって、建った別荘も建たなかった空き地も売り手が多くなって、なかなか値上がりしなくなる。
「安いからといって、別荘地を買ってはいけません。どうしても安い土地を買いたかったら、通勤圏内にある交通不便なところを買いなさい」
と私は力説した。そうしたら、別荘の分譲屋さんたちから「人の商売の邪魔をする」といってからまれたが、いまになって、ふりかえってみると、別荘地は相変わらず歯抜けの状態が続き、通勤圏内では千葉県や埼玉県はおろか、一つ県をこえた茨城県、栃木県、群馬県の土地までえらく値上がりしているから、あまり見通しをあやまらなかったことになる。
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