別荘地よりも通勤圏内の遠隔地、といったのは、たとえ交通不便であっても、通勤圏内なら、住宅がドンドン拡がってそのうちに空き地という空き地が全部埋まってしまうと思ったからである。私にいわせると、そんな遠隔地に住んだら、「遠隔地住まいの時間失い」だと思うが、世の中には時間はどうせタダだから、自分だけ少し我慢すればいいじゃないか、と考える人が結構たくさんいる。そういう人たちのおかげで、郊外の土地は依然として、投資の対象たり得ると考えたのである。
郊外の土地は恐らく今後も値上がりするだろうし、人口がふえれば、それらの人々を対象としたいろいろな事業も可能になってくるだろう。だから都心部を中心として物を考えれば遠隔地かもしれないが、その土地でちゃんと商売が成り立てば、遠隔地が遠隔地でなくなる。学生塾をつくるとか、パーマ屋さんをひらくとかいったことは、むしろ新興地に狙いを定めた方が成功の確率が高いのである。
この意味で、都心部を中心とした発想が常に正しいとは限らないが、「仕事場」と「住居」、もしくは「勤務先」と「住居」を結ぶ時間を短くせよ、という考え方は、仕事中心にスケジュールを組んでいる人たちにとっては、依然として真理である。一番原始的な、しかし、一番合理的な職住近接は、お店屋の二階に住むことである。
ソバ屋でも、スシ屋でも、自分の店の二階に住んでおれば、四六時中、店番ができるし家から店までくるのに交通費も時間もかからない。
私が二十何年前にはじめてコイン・オペのクリーニング屋をつくった時は、万一、貧乏した時は親子五人で店の二階に住む覚悟をした。店を買う時に二階の間取りもいろいろ研究した。
実際にはそういうめぐりあわせにならないですんだが、店屋の二階では休むヒマがないから嫌だと考えたことは一ぺんもない。
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