職業選びに二度目のチャンスがある
自分が最初に就職試験をして見つけた職業に結構、満足している人はあまり問題がない。心の中では不満に思っているけれども、辞めるだけの勇気を持っていない人も、まあ、仕方がないだろう。
しかし、これは間違った就職をしたなあ、と思う人は自分の一生を賭けてもよいと思う仕事を新しく見つける必要がある。いつ頃までに見つければよいかというと、二十七歳から三十五歳くらいまでの間ではないかと思う。むろん、人によって早熟型と晩成型があるから、少し早い人もあれば、遅くなる人もある。しかし、独立自営の平均年齢をとってみると、ほとんどが二十五歳から三十五歳までであるから、人間が自分の職業に対して真剣になるのは三十歳前後であろう。自分の判断でそれを選ぶだけの能力を持つのも、ほぼ同じ年齢になってからだといってよいだろう。
たまたま独立して自営業に移った人は、その年齢の前後で一ぺん、過去の職業の清算をしているから、それは「脱サラの年齢」とか「独立の年齢」とかみられるが、実際には、男に職業や配偶者を選ぶ能力が身につく年齢と考えるのが正しいであろう。したがって、会杜を辞める人も辞めない人も、ここは自分の身の振り方を一ぺん考えなおす時期にあたるといってよいであろう。
私自身ふりかえってみても、二十一歳で大学を卒業し、二十二歳まで大学院に在学した。その年、故郷へ帰り、約一年間、役人、中学教師、土建業の真似事などを経て、ついに行き詰って銀行に就職。銀行員を約一年間やった末に、二十四歳の時に、今度は政治的な理由もあって香港に亡命した。香港では密貿易の仲間入りをしたり、零細貿易商をやったりしたが、東京へ戻ったのが三十歳で、それから小説を書いて運よく直木賞を受賞したのが三十一歳であった。
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