"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第9回
ベトナム株は取引量が少なくて買えない?

なぜか日本ではベトナム株は取引量が少なく、
ファンドは思ったように株を買うことができない
との誤った認識があります。
しかし、ベトナム株を間近で見ている立場から一言言えば、
そんなことは決してないのに、
なぜそのように勘違いする人がいるのだろうかと
不思議に思います。
もちろん、新興国の中にはこのような市場もなくはありません。

たとえば、モンゴルの株式市場なんかを見ていると、
市場全体の1日の売買代金が、
なんと十数万円という信じられない世界です。
通常のやり方では思ったように株は買えないし、
下手に大量に買えてしまうと簡単にエグジット出来なくなって、
数年は強制的に塩漬けさせられる
事態に陥ってしまう恐れがあります。

しかしベトナム株の場合、
数年前ならいざ知らず、
ここ最近では、取引量がピークから落ち込んだと言っても、
ホーチミン市場だけで
1日に40億円から50億円の取引額があります。
数ヶ月前だと70〜80億円程度の取引額でした。
従って、やる気になれば、
1日に数億円程度などは、
値を崩さすに簡単に買うことができます。
加えて言えば、
店頭市場(ベトナムでは店頭市場のことをOTC市場と呼ぶ)は
上場株に対して最低でも5〜6倍の規模がありますし、
大型株のIPOも相次いでおり、
流動性が低くて買うことができない
などという状況ではないのです。

ではなぜこのような誤認識があるかというと、
多分06年11月〜07年3月はじめまでのストップ高連続の
あまりにも急激な上昇局面でのイメージが強いのだと思います。
確かにその時はストップ高の連続でストップ高で指し値をしても、
思ったように株を買うことができない事態となっていました。
しかし、現在は調整局面で、そのような状況にはありません。
もっとも、
実際にはベトナム株ファンドは
現金比率が高いファンドが多いのですが、
これは上記のように買えないのではなく、
株価が調整した際に
大きく買えるように残している側面が大きいのだと思います。
OTCや機関投資家だけに許される有利な第3者割当ですら、
上場株の値動きの影響を受けます。

ベトナム株は昨年後半以降急激に上昇し、
06年8月に400ポイントだったVN指数は
07年3月には1170ポイントまで上昇しました。
これだけの急激な上昇を遂げたあとですから、
それなりの調整はあってしかるべきです。

 
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2007年7月10日(火)

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