"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第14回
大量に流れ込む外貨が株と不動産を支える

7月10日に中国の6月の貿易統計が発表されました。
この統計によると、
6月の輸出額は前年同月比27%増の1032億ドル(約12兆円)、
単月の貿易黒字は過去最高の238億ドル(約2兆8560億円)
に達しているとのこと。
これで07年上半期の貿易黒字額はなんと
前年同期比83%増の1125億米ドル(約13兆5000億円)に達しました。
金額が大きいのでイメージがつけにくいかも知れませんが、
たとえば、
日本国家予算の平成19年度一般会計予算における歳出(支出)は
約83兆円ですから、
海外から物凄い勢いで
中国に外貨が流れ込んでいることが
おわかりいただけるのではないかと思います。
しかもその額は年々拡大しています。
ここで予想されることは以前も書きましたが、
中国国内にお金が溢れかえることです。
現在、中国が世界の工場としての立場を確立しているゆえんは、
1980〜1990年代に8分の1ぐらいに人民元を切り下げたこと。
これにより中国は圧倒的な輸出競争力を獲得したわけですが、
その一方で、東南アジア諸国が輸出競争力を奪われる形になり、
1997年のアジア通貨危機を招くことになりました。

しかし中国はその後も、
その安価なレートをほとんど変えずに現在まで維持しており、
ようやく人民元の切り上げが一昨年前に始まったといっても、
まだ10%も切り上げていませんし、
今後も少しずつしか切り上がる見込みもありません。

となれば、しばらくの間、
中国の貿易黒字は膨らむ一方ですから、
中国国内はお金がさらに流れ込むのは目に見えています。
そして最終的にどこにお金が流れ込むかと言えば、
日本のバブル期を見ればあきらかなように、
やはり株と不動産しかありません。

実際に中国の不動産価格は上昇を続けています。
07年5月の中国70都市の住宅用不動産の平均価格は
前年同月比6.4%高。
また、この流れを受けて、
上場企業による株式投資もさかんになっています。
ある調査によると、
株式を含む投資益は07
年1−3月期の上場非金融企業の
利益全体の23%に貢献したとのこと。

これは確かに異常な事態ですが、
まだまだお金の流入が続く以上、
この傾向は継続すると見るべきでしょうか。
むろん短期的な調整が入ることはもちろんですが、
このように考えていくと、
中国に大量に開発用地を確保している不動産会社は
魅力的な投資対象に思うのです。

 
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2007年7月26日(木)

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