"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第16回
ベトナムのブランド

ベトナムではブランドというものが
最近になってようやく認識されてきました。
そして、ブランドを大切に育てている会社もあって、
そういう会社に早期に投資をするのはとても面白いと思います。

先日、ソンキムというベトナムの会社に行きました。
ソンキムはもともと紡績会社でWorld Of Woman、
あるいはJockeyという衣料(現在は主に下着)ブランドを
展開しています。
ベトナムの衣料系で
数少ないブランドを育てている会社ということで
興味があって行ってみたのですが、
事業内容を聞いてみるとなかなかに魅力的でした。
最近では衣料分野の成功によって、
グループ会社で化粧品やモデル・タレントの育成、
テレビ番組の作成や不動産開発に進出するなど、
大きなグループになりつつあります。

ちなみに一緒に行ったベトナム人は違う視点で驚いていました。
ソンキムが自社の下着の宣伝に
専属の外人モデルを雇って
広告展開をしていることに驚いていたのです。
日本人の私からすると、
それって別になんでもないように思えますが、
ベトナムでは専属の外人モデルを雇って
広告展開しているのはかなり珍しい類だとのこと。
それだけ、ベトナムの中でも
ブランドを大切にしている会社ということでしょう。

このようにブランドを大切に育てているメーカーが、
まだベトナムには少ないので、
同社のような企業は将来的に
大きく成長する可能性があると思うのです。
しかも、まだブランド自体に
それほど価値が見いだされていないため、
株価は今期予想でPER10倍程度と割安であり、
2008年に上場を計画しています。

外資も徐々にこの魅力に気がつきつつあります。
ソンキムに関して言えば、
デンマークのバンクインベストという衣料系に強い投資ファンドが
ソンキムに大きな投資を決定しました。
また、国際的に有名な衣料ブランドである
ESPRITはソンキムと提携を決定しています。

とは言え、
なかなかベトナムではこのような店頭銘柄の情報は少ないので、
自分自身が現地に飛んで足で情報を稼ぐ必要があります。
勿論大変なことですけど、
今のベトナムであれば、
苦労した分きちんと見返りがあるのではないかと思うのです。

 
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2007年8月2日(木)

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