"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第18回
トゥアン・アン木材加工(GTA)

7月23日にホーチミン所見取引所に上場したばかりの銘柄で
トゥアン・アン木材加工(証券コード:GTA)
という銘柄があります。
ベトナムゴム総会社(Tong cong ty cao su Viet Nam)を含めた
傘下企業の10社が共同して設立した木材加工会社で、
木材・ゴム製品の生産、木材関連製品・設備の販売をしています。

ゴムの木というのは、
栽培を始めてから7年目に
ようやくゴムが採取できるようになります。
そして15年目ぐらいまで採取できるのですが、
その後は採取料が落ち込むので、
伐採して木材として販売されることになりますが、
ベトナムゴム総会社は
その木材の販売を総合的に請け負う子会社を作りました。
それがトゥアン・アン木材加工というわけです。

トゥアン・アン木材加工の強味は、
ゴム木材を毎年、
800ヘクタール分に渡るゴムの木を
ベトナムゴム総会社傘下の企業から、
安い価格で割当され、
長期的に安定した原料を得ることが可能であるという点です。
そして現在、
ベトナムの木材製品は安価で質が高いということで人気があり、
飛ぶように売れています。
現在世界的に木材の価格は上昇基調にあるため、
今後は大きな業績の飛躍が期待されるところです。

同社の目論見書を見てみると、
07年は183億ドン、08年は260億ドン、
09年は390億ドンの税引き後利益を計画しています。
ベトナムの企業は目標を提示して達成できないと、
株主から指摘を受けるため、
比較的堅めの数字を出してくることが多いのですが、
それでも上記の業績予想はたいしたものだと思います。

ちなみに上記予想通りの実績が出せれば、
単純計算で09年にはPERが10倍以下になる見通しです
(実際にはもう少し高い業績推移となる可能性がありますが、
その分、増資も実施されると思いますので希薄化されて、
実質はこの程度になるでしょう)。

現在、ベトナムの株式市場は大きく調整を続けていますが、
同社のように割安に見える株も増えてきています。
ベトナムの株式市場がもう少し調整を続けると、
絶好の買い場になりますので、
他には負けない強味を持ち、
実際に業績を伸ばし続けている企業の株価は
チェックしておいてください。

 
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2007年8月9日(木)

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