"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第21回
維奥生物科技

先日、弊社のアナリストグループで、
中国の企業訪問をしてきました。
いくつか会社を視察して廻る中で、
見ると聞くでは大違い!
というエピソードがあったのでご紹介しましょう。

四川省の成都市にある
維奥生物科技(1164)を視察した時のことです。
日本人の投資家でも小型成長株として、
知っている人の多い銘柄と思います。
四川省は医薬会社を後押ししており、
170社ほどの製薬企業がこの成都市にあります。
四川省全体では大体400〜500社あるとのことで、
維奥生物科技はその中で売上上位10社に入り、
利益ではトップ5に入る会社です。
全国規模で見ても、
大体5000社近い製薬企業があり、
その中の150位あたりの売上、
また利益額では50位あたりにつける企業です。

維奥生物科技の本社は香港ですが、
武漢と成都に生産子会社があります。
香港にも工場を建て、
また同じ成都の別のオフィスの敷地内にも
注射薬の新工場を建設中です。
あとオーストラリアのメルボルンには
研究開発用の子会社があります。
今回視察したのは、
売上の93%を占める主力商品、
Osteoformという骨粗鬆症を治療する
カルシウムの錠剤を作っている成都の工場です。

ちなみに
同社のカルシウム剤は中国で17%のシェアを占めています。
このように有力な製薬企業という肩書きでしたし、
実際に業績も伸びているので、
どんな工場だろう?と楽しみにしていたのですが、
工場を見てびっくりです。
何がビックリかというと、
単なる詰め替え作業をしている感じなのです。
まず、すでにアメリカの
AMT Labs Incから輸入した完成品である、
Osteroformそのものの錠剤が
大量に透明のプラスチックバッグに入れて積みあがっています。
これを開封後、
イタリア製のベルトコンベアにのせて瓶詰め、
ラベル張り、箱入れがなされます。
作業員がきちんと一定量入っているかチェックをしていますが、
基本的にアメリカから輸入した錠剤を
入れ替えているだけであった、
という印象でした。

無論、中国の企業はこういう企業は多いですし、
詰め替えから始まって自社開発に発展していく、
という流れもあるのでしょう。
が、訪問前の期待が大きかっただけに
少しがっかりしたエピソードでした。

 
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2007年8月21日(火)

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