"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第28回
クーロン水産が上場

前にご紹介したクーロン水産(ACL)が
9月5日に上場しました。
上場予想株価は7万4000ドンでしたが、
初日はそれを大きく上回る8万1000ドンで引けており、
原稿を書いている9月10日の終値は
8万3000ドンとなっています。

同社はもともと
アジフィッシュの創業者(AGF)の1人が
独立する形で開業した会社です。
そこでアジフィッシュと比較してみますと、
クーロン水産の07年度上半期の純利益は
前年同期比約5倍増の280億ドン(約2億円)。
一方、アジフィッシュ(AGF)の07年上半期の純利益は
同41%増の299億ドン。
しかし、時価総額を比べてみると、
アジフィッシュが約88億円であるのに対して、
クーロン水産は近く予定されている
1100億ドンへの増資を加味しても、65億円。

つまり、利益額はほとんど変わらないし、
利益成長率はクーロン水産の方が高いのに、
時価総額はクーロン水産の方が小さいわけです。
仮にアジフィッシュと同じ時価総額になったとしたら、
株価は約35%上昇する計算となります。
07年下半期が上半期と同じ利益を計上できれば
PER13倍と成長性に比して割高感はさほどありません。
ちなみに同社は2008年までは
1100億ドンまでしか増資をしない計画ですから、
希薄化の懸念も少なくて済みます。

一方、ベトナムの水産株に投資するときのリスクを挙げておくと、
ベトナムの水産物から規定以上の構成物質がみつかる、
あるいはかつての米国のように
ダンピングを指摘して懲罰的な課税してくる
といったような事態が発生することです。
これがひとたび発生すると、
業績が大きくマイナスになるリスクがありますので、
投資する際は
その点を充分留意する必要があります。

 
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2007年9月13日(木)

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