"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

新興国投資の最新事情を、現場直送
出来たてほやほやのままお届けします!

第29回
HSBCがバオベト保険の株式10%を取得

5月にIPOを行った、
市場シェアでベトナム最大の総合保険会社である
バオベト保険ですが、
IPOの平均落札株価である7万3910ドンに対して、
その後の店頭市場での値動きは低迷していました。
しかし、世界最大級の銀行金融グループであるHSBCは
バオベト保険の株式10%を約290億円
(1株あたり7万1918ドン)で購入することで合意した
と発表しました。

また、1年半後にはベトナム財務省から
バオベト保険株8%を追加で取得するオプションも得ています。
HSBCのスティーブン・グリーン会長は、
バオベト株の取得について、
「ベトナムへの取り組み拡大を反映しており、
高成長市場に投資するという同行の戦略に整合するもの」
とコメント。
今回のHSBCの投資の決定には
かなり大きな意義があると思います。

1つは低迷するバオベト保険に
HSBCがそれだけの価値を認めたということで
ベトナム株式市場全体の活性化につながる可能性があること。
バオベト保険はOTCながら、
現在のところ約3000億円という最大級の時価総額を誇る、
ある意味フラッグシップ的な銘柄だからです。

政府が指定する資本規模の大きい国営企業トップ25社の中で
初めてのIPOということもあり、
バオベト保険の状況は
今後の大型国営企業の株式会社化の進展にも影響してきます。
もう1つは、HSBCがベトナム株式市場に
積極的に投資をしたことが、
他の投資家にも好影響を与える可能性があります。

HSBCは9月にベトナム株に関する
ポジティブなレポートを出しましたが、
今後ともそういったレポートが出ることも期待できます。
ともあれ、ベトナムの株式市場から
ますます目が離せなくなってきたといえるでしょうか。

 
←前回記事へ

2007年9月18日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ