"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

新興国投資の最新事情を、現場直送
出来たてほやほやのままお届けします!

第31
いよいよ上昇開始!?のベトナム株

今回はベトナム株のアノマリーの1つをご紹介したいと思います。
アノマリーとは、理論的な根拠があるわけではないけれども、
一般的によく当たると言われている現象のこと。
代表的なものでは、日本で言うところの
「節分天井、彼岸底」
に代表される季節的周期性があります。
ベトナムにもこの季節的周期性があり、
これは日本とはちょっと異なります。

ベトナムの季節的周期性ですが、
簡単に言えば、夏場に安値をつけ、
秋口から上昇を開始し、
春先には天井をつけやすいというものがあるかと思います。
これは何を意味しているかというと、
取引の大半を占める
ベトナムの個人投資家の投資習性を示しています。

この投資習性とは、あえて名付けるなら「イベント投資」。
ベトナム株では年間で企業業績が数倍になる銘柄も珍しくなく、
上場企業の主力銘柄でも
時には10倍増近い増益を発表することがあります。
それだけに決算発表時の株式分割なども
また大きなものになるケースが多いのです。

べトナムの個人投資家は基本的には短期投資で、
この分割を目当てに投資をしてくる傾向があるようです。
ベトナムは12月決算なので、
12月の決算状況が良くなりそうだという雰囲気が出始めたころ、
つまり秋口ぐらいから
大きな分割をやりそうな企業を中心に投資を開始します。
例年の傾向を見ていると、大体夏場ぐらいに底をつけ、
その後年末にかけて上昇していき、
決算発表がある(そして、分割も発表される)
3〜4月ごろまで上昇していくというもの。 

そして、決算発表明けは一旦利喰ってしばらく様子見。
その後、再び翌年の年度末決算の状況が良さそうなら、
夏場ごろから投資・・というパターンです。
もちろん必ずしも毎年このパターンになるほどアマくありません。
が、とりあえず今年のケースを当てはめると、
3月頭に天井をつけたベトナム株は、
夏場ぐらいまでは緩やかに下落していき、
その後、秋口から上昇を開始しつつあり、
例年のパターンに沿いつつあります。

もっとも、06年後半の株価上昇があまりにも急激でしたから、
もう少し調整が必要な側面もあり、
もしかすると、ようやく上昇を開始したものの、
不発に終わり、また来年の秋口ぐらいまで
ジリジリとした相場が続く可能性もあります。
しかし、面白い展開になりつつあるのは間違いないところで、
ますます目が離せない状況になってきています。

 
←前回記事へ

2007年9月25日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ