"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第48回
中国株とシステムトレード

日本株ではシステムトレードが大流行していますが、
このシステムトレードの検証方法の1つに
バックテスト機能があります。

このバックテスト機能というのは
過去の株価データを利用して、
テクニカル指標の売買判断方法を決め
(複数の指標の組み合わせでもOK)、
実際にその方法通りにトレードしていたら、
いくら儲かったか、損したかを
瞬時に計算してくれる便利な機能です。
私たちの会社では、
このシステムトレードに関しては
日本株の方でそれなりにヤリ込んでおり、
ある種のクセが掴めてきたところですが、
これを中国株に応用してみました。

これまで分析してきた立場から言えば、
「常に勝てるシステムトレード方法」
というのは(当たり前といえば当たり前ですが)存在しません。
もしも存在するならシステムトレードで
世界的な大金持ちになった人がいるはずですが、
そのような人が存在しないことからもわかると思います。

上昇相場、下落相場、横ばい相場の時によって
有効な手法は違うのです。
そして、上昇相場、下落相場、横ばい相場がいつ転換するか、
というのを事前に判断する方法というのも
当然ながらまだ存在しません。

また、MACD、RSI、
ボリュームレシオなどなど殆どの指標は、
それだけでは実は全然役に立たないことは
バックテストをすると一目瞭然となります。
その中で、一定の効果が認められるのが
移動平均線からの乖離率です(あくまで統計上です)。
また、暴落開始後、
何日後に買い入れば一番勝率が高いかという判断も、
実は統計上存在しません。
暴落によって5日目もありますし、
1週後も、2週後もありますし、いろいろです。

例えば極端な例をあげれば、
ブラックマンデーの時を例に考えると、
ブラックマンデー前の2週間で、
すでにS&P500は16%も下落して、ぼろぼろの状態でした。
前週の段階で2〜30年に一度あるかどうかの乖離率まで
超売られ過ぎだったのです。
通常のシステムトレード判断をしていれば、
そこで買いという判断だったと思いますが、
ブラックマンデーの時は、それでもそこが底ではなく、
次の週にブラックマンデーを迎えて
一日でさらに20%下落しています。

ということで、システムトレードによる必勝法というのは、
当たり前のように存在しないのですが、
市場ごとに、
売買の参考になる指標パターンというのは存在します。
バックテストの数を何百回と重ねるうちに、
ようやく、中国株にも
相性の良い指標が徐々に見えてきたところです。

 
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2007年11月22日(木)

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