"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第51回
成長率とPERを比較して

ベトナム企業の決算は12月ですが、
全体として好業績な企業が多いようです。
たとえば、ハパコ(HAP)の例を見てみましょう。
これまでに発表されている
第1〜3四半期までの税引き後利益の伸び率は
前年比3.9倍増です。

仮に第3四半期の利益と同じ利益を
第4四半期に計上できたとすると、
年間の税引き後利益の伸び率は3.7倍増となります。
ちなみに06年度は第3四半期よりも
第4四半期の利益が大きいですし、
その後発表された07年10月度の単月利益は巨額でしたから、
最終的には、4倍増程度で着地するのではないかと予想されます。
仮に4倍で着地したとして、
同社のPERを計算してみましょう。

同社は07年1〜10月まで発行式株式数600万株でしたが、
11月に877万株を新規上場しました。
したがって、年間平均発行式株式数は746万株程度です。
ベトナム株の場合、
同社に限らず、大幅な有償増資や株式分割をやってくるので、
どの時点の発行済み株式数を使って計算するかで
EPSが大きく異なります。
そこで、念のため、
EPSが一番小さくなる
期末の発行済み株式数(1478万株)で計算してみると、
PERは18.5倍となります。

同社に関しては年産100万トンの石油精製工場計画があり、
これが仮に実現すれば、
売上、利益とも跳ね上がります。
しかし仮に石油精製工場計画を考えなかったとしても、
現在の成長率とPERを比較して考えてみると、
妙味があると思いますがあると思いますけど、どうでしょうね。
ちなみに、同社は11月28日に新株を上場したところで、
発行済み株式数が急激に増えたところですから、
目先は需給悪化から軟調になるところですので、
安値になったところを拾って行ければ面白いと思います。

 
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2007年12月4日(火)

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