"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第52回
エマールプロパティーズ(ドバイ株)

ドバイ市場の主要指数はドバイ金融市場総合指数ですが、
この指数の構成ウェートの23%を占めるトップ銘柄が
エマールプロパティーズです(以下、エマール)。
ドバイ株の王道銘柄の1つであると言えるでしょうか。

エマールはGCC(湾岸協力会議諸国、UAE、バーレン、
クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビアで構成され、
世界原油埋蔵量の4割を占める)諸国で
最大の時価総額を持つ不動産開発企業です。
創立は1997年で、2000年よりドバイ市場に上場している企業です。
規模的には日本の住友不動産に近い大きさの時価総額や
売上規模になります。
開発物件は住宅、商業ビル、
ショッピングモールや観光リゾートなどで、
UAE国外にも数多く進出しています。

またドバイ銀行などを傘下にもつ金融サービス業のほかに、
ホテル、小売、教育やヘルスケア分野にも進出しています。
現在建設中のブルジュ・ドバイタワーは
世界で最も高いビルになることで知られています。

アラブ首長国連邦(UAE)を構成する
7つある首長国の一つがドバイで、
人口は約130万人です。
UAE全体のGDPは今年の予想で1960億USドルほどですが、
一人あたりのGDPは日本より高く、
昨年の成長率は11.5%にも達しました。
UAEで最も大きな首長国は首都でもあるアブダビですが、
エマールのあるドバイは
UAE全体の3割のGDPを持つ首長国です。

同国は正式な統計がないのですが、
人口の8割以上が外国人(主にインド、パキスタン人)
となっており、
06年の新不動産法で外国人による恒久的土地所有が認められました。

ドバイはアブダビに比べて石油の依存率が少なくなってきており、
商業、金融、観光での発展を目指して
フリーゾーン地区の開発も盛んで国外資本を呼び込んでいます。
そして、このドバイ首長国経済開発庁長官が、
何を隠そうエマールの会長であり、
自社のビッグプロジェクトとなっている
ブルジュ・ドバイプロジェクト
(2KM平米のプロジェクト全体の総額は200億ドル)
などの都市開発を推進しているのです。

尚、エマールの株式の32%は優先株式の割り当てによって
政府保有となっています。
これまでに政府はエマールに
1億2270万スクエアフィートもの土地を無償で
開発のために提供してきています。
ドバイのダイナミックな不動産開発に
政府主導で関わっている会社といえそうです。

 
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2007年12月6日(木)

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