"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第62
白馬戸外媒体と他社の比較

欧米を代表する屋外広告企業には以下の2つがあります。

Clear Channel Outdoor Holdings INC(CCO)
アメリカ S&P500指数採用銘柄、
株価 26.92ドル

JC Decaux S.A (DEC)
フランス CAC40指数採用銘柄、 
株価 26.76ドル

またナスダックに上場した別のタイプの上海の屋外広告企業
(オーディオビジュアルTVディスプレイを使った電子広告中心)、
フォーカスメディア(分衆伝媒、FMCN)
という若い会社もあります。

フランスのJCDはもう売上が1兆円近くになって
成長率も鈍化しています。
一方2005年に白馬戸外に51%以上出資している
CLEAR CHANNELグループから
スピンアウト上場したばかりのCCOは
高い成長を続けて株価も上昇しており、
44倍のPERまで買われているほど高く評価されています。

フォーカスメディア(分衆媒体)は
若い企業で売上もまだ小さいですが、
米国に上場してすでに
時価総額1663億円もの値段が付くまで買われています。

これらを見ると、
10年連続増収でそこそこ大きくなってきた白馬戸外でも、
まだ売上規模的には欧米先行企業の30分の1程度で、
これからの成長余地が高いと思われるにしては、
PER27倍は低いのではないでしょうか。
フランスの成熟企業と
同じだけの期待度しかないことになりますが、
これは十分に企業の潜在的価値が
アナリストレポートなどを通じて
投資家に伝わっていないと見ることも可能かと思います。

白馬戸外媒体の担当者が我々に言ったことは、
どちらかというと
アナリストは不動産やIT企業ばかり取り上げて
熱心にレポートしてくれないとのことです。
また米国のCLEAR CHANNELを知っている投資家は
高く評価してくれるが、
知らない投資家はそうでもないとも言っておりました。
まだまだ隠れた存在の価値ある企業なのかもしれません。
 
仮説としては、
今後拡大する中国屋外広告市場で
現在トップシェア企業がさらにシェアを高めることです。
例えばコカコーラが中国で宣伝を打ちたいと思ったとすれば、
現在のように多数の細分化された業界で、
ある地方都市だけローカル的に強い
というような広告会社に頼んでも無駄なのです。
全国に張り巡らされたネットワークが
最大・最強である広告会社の寡占が高まるのは
自然なことだろうと思われます。

その点、
白馬戸外媒体は世界一のCLEAR CHANNELグループが
51%を保有する会社です。
会社の英語名もCLEAR MEDIA LTDとなっていますが、
名刺にはCLEAR CHANNEL(親会社)のロゴが入っています。
コカコーラなどの世界的企業は
当然CLEAR CHANNELを良く知っており、
中国一のネットワークに加えて
そのブランド力も寄与しているのかもしれません。

 
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2008年1月10日(木)

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