"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第75回
米国の不動産の話し

米国の不動産の状況を、
米国在住の方にお伺いしていると、
なんとなく全体として2割ぐらい
下落しているイメージであるような感じです。

私の感覚からすると、
日本で騒がれているほどには「ヤバい」状況
(=投げ売りが発生するような)には至っていない印象です。
徐々に取引価格は落ちてきていて、
ピークよりは2割ぐらい実勢価格はおちているのだけれども、
ここをしのげば、
また上昇モードにはいっていくのではないかと考えている人も
結構いる状況というか・・・

ただ、米国と日本には大きな違いが2つあって、
1つは米国ではノンリコースローン
(簡単に言うと、ローンの返済が出来なくなったときに、
担保となっている資産以外に債券の取り立てが及ばない
特約付きのローン)
が一般的であること。
もう1つは米国ではかつての日本のバブル前のように
不動産価格がずっと上昇してきたと言うことです。
つまり、ある種、
土地神話が出来ている状況のなかで、
無理してローンを組んだ人や
貸した人(金融機関)が多いのが米国です。
しかもノンリコースローンですと、
他の財産に影響がないので、
投げ売りが出やすい状況に成りやすいですから、
いつ崩壊が始まるともわからないような・・・。

なんとなくですけど、
人間の心理として2〜3割が耐えられる下落の範囲で
そこを超えると投げ売りがはじまるように思います。
たとえば、
指数ベースで見た暴落局面の下落率は
大抵4〜5割ぐらいです。
(むろん、この時個別株ではもっと下がりますけどね)
2〜3割の下落から投げ売りが始まって
4〜5割で底を打つと言うことなんじゃないかと思います。

ということは、
そろそろ米国の不動産市場は正念場を迎えそうで、
米国株は目先ちょっと厳しい状況がまだ待っていると思います。
だからこそ、それにほとんど影響を受けない、
あるいは米国が下がると
むしろ資金が流れ込んでいる国の株式市場の株に
注目すべきだと思うのです。

 
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2008年2月26日(火)

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