"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第80回
注目したい中国企業の08年上半期決算

前回取り上げた中国水務のように、
本業以外の利益(土地の値上がり益や株式運用益)が
全体の利益の大きな部分を占めている企業が
中国株には少なくありません。
H株の大企業では、
保険金を運用している人寿保険などの保険銘柄は別ですが、
それ以外はそれほどたいしたことはないですけど、
A株企業にはこういった企業は結構あります。

これらの企業は株価や不動産価格が上昇しているときは
相乗効果で業績がスパイラル的に良くなっていくのですが、
一旦下がりはじめると逆スパイラル的に落ち込んでいきます。 
A株の半期ごとの騰落率を見ると下記のようになりますし、
不動産価格も前々回に指摘したように北京以外は下がっており、
北京でも万科の価格引き下げによって、
下がりはじめの兆候も出てきています。

□半期毎の上海A株騰落率
06年 上半期 上海A株騰落率 +43.6%
06年 下半期 上海A株騰落率 +59.6%
07年 上半期 上海A株騰落率 +39.7%
07年 下半期 上海A株騰落率 +38.4%
08年 上半期 上海A株騰落率 -21.21%
※08年上半期は3月12日現在

これが業績にはじめて現れてくるのが08年第1四半期、
上半期の業績です。
H株には前述のように直撃する企業は少ないかもしれませんが、
それでもA株が下がれば悪影響を受けるのは免れられませんよね。
こう考えると、もう少し中国株は調整局面が続きそうですね。

しかし、中国経済がここで終わるわけではありませんから、
長期的に考えれば、
その調整局面を経たあと、
中国経済は10〜15年かけての
大きな上昇相場を描いていくのではないかと考えます。

ですから、もしも有望株が大きく下がるようなところがあれば、
そこは大きなチャンスなのではないかと思います。
そういう意味で08年の上半期決算には要注目です。

 
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2008年3月13日(木)

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