"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第83回
ベトナムの不動産事情

ホーチミンのホテルで原稿を書いています。
ベトナム株の下げが止まりませんけれど、
最近はベトナムの不動産市況まで悪化していて、
不動産銘柄の業績悪化が懸念されています。

しかし、現地に来て色々と調べてみたのですが、
豊富に資金を抱えている企業にとっては、
現段階では業績面では心配いらないというのが結論です。
株価は市況全体の影響がありますので、
もっと下がるとおもいますけど。

まず、ベトナムの不動産価格の下落ですが、
確かに天井から2割ぐらいは下げているのですが、
これは投機価格が下がったものです。 

どういうことかというと、
ベトナムでは、新規物件の売り出しがあって、
仮に100の価格で売り出しをした場合、
投機投資家が大殺到して100の価格で買って、
すぐに150ぐらいで転売しようとします。
これが今まではまかり通っていたのですが、
これが150では売れなくなって
120〜130ぐらいになったというのが現状のようです。

つまり、価格が下がると損をするのは不動産会社ではなくて、
投機家というのが今の段階です。
仮にここからさらに2割ぐらい下がると、
投機家がいなくなって、
不動産会社からエンドユーザーに
直接販売されるようなイメージになります
(むろん、その分販促コストがかかるなどの影響はうけますけど)。
したがって、
現時点では不動産価格の下落については、
それほど懸念すべき所まできているという感覚ではありません。
とくに都市部のマンションは、
供給が依然として足らない状態です。

一方で、銀行の引き締めの方ですけど、
こちらは資金力がない不動産会社にとってはピンチですけど
(予定していたプロジェクトを資金を調達できないために
泣く泣く諦めるケースも少なくない)、
逆に昨年までの株高でうまく資金調達をした企業とか、
うまくキャッシュが廻っている企業にとっては逆にチャンスです。
むろん、不動産株に投資をするときは
その辺りの見極めが必要になってきますけど。

あと、今のベトナム株の下げは心理的な要因も強いと思います。
それは、着いてからスグの打ち合わせの最中、
1本のとんでもない電話がはいったことから、
なるほどねぇ・・と思ったのですが、
それは次回に譲りましょう。

 
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2008年3月25日(火)

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