"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第90
三益半導体

今回は日本株の話しです。
仕事柄、日本株にも目を通さなくてはならないのですが、
少しずつ日本株の基調も変わってきたように思います。
むろん、まだまだ急激な上昇は期待できないのです。
が、悪材料が出てもそれほど反応せずに、
逆に良い材料に素直に反応するようになってきました。
底値を固める感じで上下動しながらも、
徐々に上昇している感じで、
スイングトレードが上手くいくようになってきました。

その中でちょっと面白い銘柄をみつけました。
といっても推奨後にスルスル値を上げてしまったので、
また、買いチャンスになるまで待たなくてはなりませんが。
三益半導体(8155 東1)という信越化学の子会社です。
半導体原料のシリコンウェハーの加工メーカーです。
主力の300ミリ半導体シリコンウェハーの加工が伸びています。
親会社の信越化学は半導体原料のシリコンウェハー世界一です
(2位はSUMCO)。

3月27日に発表された第3四半期までの決算
(同社は5月決算です)は売上が29%増、
営業利益が44%増、純利益が37%増と増収増益。
第2四半期からはやや減速したものの
表面上の発表数字以上に良い内容だと思います。

具体的にはキャッシュフローと設備投資が非常に良いのです。
会計上の利益は30億円ちょっとですが、
実際には会計上の費用が多く、
営業キャッシュフローベース(現金ベースでの儲け)では
200億円以上儲けています。

この会社は信越化学に吸収されるまでは
現金を持て余していました。
しかし経営が変わったここ数年では
物凄い設備投資を行って事業拡大しており、
2年続けて200億円以上もの設備投資をしています。
07年の固定資産投資額は260億円、
08年5月決算期の第3四半期までで同じく200億円に達しています。

200億円というと、
同社の規模からすれば、
売上の3分の1という非常にアグレッシブな投資です。

この巨額の設備投資から近い将来大きな売上が見込め、
また減価償却が片付いたあとは
ストレートに会計上の利益に反映されて行くことが期待できます。

減価償却を3年で償却する計画ですので、
現在は年間200億円近い減価償却費になっていますが、
2年すればそれは70億前後に減るでしょう。
差額は利益になります。
つまり、計算をしたら利益は2〜3倍になるはずです。
(不況や急激な円高などで、売上が激減しなければ)

ともあれ、これだけ莫大な設備投資を行い、
減価償却が大幅に増えている中で、
営業利益44%増を達成している点は
大きく評価しても良いのと思います。

 
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2008年4月17日(木)

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