"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第93回
中国の携帯電話市場

日本では携帯電話市場は、
すでに飽和状態に近く、
あとは3社でシェアの食い合い状態になっていますが、
中国では異なります。

中国の携帯電話の普及率は2003年の20.9%から
昨年は41.6%に増加しました。
2010年には7億3800万人が携帯電話を持つとする調査もあり、
まだまだ成長余地はインドと並んで
世界のどの国よりも残されています。
たとえば、お隣の香港の携帯電話普及率は151%もあります。

そして実際のところ、
中国全体の月ごとの携帯電話の新規加入者数は
年々増加の一方です。
2005年は毎月平均500万人ほどが加入していましたが、
2006年にはそれが月600万人に、
2007年は700万人に上がり、
2008年に入ってからさらに加速しています。

2月は1000万人に迫ろうとしていますが、
これは多少旧正月休みの効果もあったにせよ、
農村部への普及と、
固定電話を止めて携帯だけにしようという動きが増している
と思われます
(2008年に入って固定電話の増加数はマイナスとなっている)。

このような環境の中、
2007年度末のチャイナモバイルのユーザー数は3億6934万人。
2007年は加入者が2006年よりも22%増加し、
市場シェアは2006年の65%から67%へと2ポイント拡大しました。

特にプロモーションが効いた農村部では48%も増加させました。
農村ではまだ携帯の普及率が19%と都市部に比べて3分の1。
しかも農村部から都市部へ大量の人口が移動しており、
それらの人々が携帯電話に加入します。

チャイナモバイルの2007年の月平均加入者数は560万人でしたが、
2008年第1四半期は2280万人(1ヶ月平均760万人)と
加速しています
(ちなみに2007年第4四半期は1970万人)
今後10年で、
あと5〜6億人ほど加入者を拡大してもおかしくありません。

チャイナモバイルのような巨大企業に
それだけの本質的な成長余地が残されているということは
中国経済全体の成長余地が
非常に大きいことを表している好例ではないでしょうか。

 
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2008年4月29日(火)

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