"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第95回
長期では以前有望なエネルギーセクター

前回の続きですが、
一方でこれらの最終製品を作る石油や
電力会社の原材料である原油と石炭の価格は急騰し、
間に入っている会社には苦しい構図で、
これは目先インフレが続く限りなくなりそうにありません。

例えば中国のガソリン価格は
1リットル80円程度に抑えられていますが、
原油価格は国際価格と変わりません。
最近の原油高では精製すればするほど損が出るという具合です。

しかし長い目で見ると中国経済が、
その労働人口の減少する20年後までは高度成長が続くとすれば、
経済の中心にあるエネルギーや金融、不動産といったセクターは
今後も王道に変わりないと思われます。

また短期的にみれば
悪材料が重なっている最悪期ともみられる時期ではないでしょうか。
インフレ率は2月に8.7%というピークをつけ、
3月には8.3%に少しおちつきました。

中国はインフレ抑制のため
昨年から徹底した預金準備率と金利の引き上げで
経済を引き締めに誘導しています。
この効果は今年半ばから出てくると思われます。

インフレがおちつけば
原料価格に連動した価格の引き上げも可能ですし、
これらエネルギー会社はほっと一息つけるでしょう。
もっと長い目で見れば中国人の所得向上で
いずれは価格の自由化へ向かっていくと思われ、
今のような価格統制と
原料価格高騰の挟み撃ちにあう事はなくなるかもしれません。

また商品価格も短期的に高くなりすぎているのも
これら会社の利益を圧迫していますが、
今年は世界経済の成長鈍化が予想され、
エネルギーの原料価格も落ち着くことも十分考えられます。

このように中国のインフレ対策と
原料コスト急騰で低迷している中国エネルギーセクターですが、
どちらの原因も今がピークにある可能性もあって、
株価も半値になっていますが、
長期的には
依然として中国の高度経済成長に乗る王道銘柄と考えます。

 
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2008年5月6日(火)

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