"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第102回
ベトナム株の話し

ベトナム株が暴落を続けています。
ホーチミン市場のVNインデックスは07年3月のピークであった
1170ポイントから既に
420ポイント前後まで下落してきています。

ただ、たとえば
ホアンアインザーライ(HAGL)の株価推移を見てみると、
昨年の夏頃に8万ドン程度だったものが、
昨年末ぐらいに15万ドン〜20万ドン程度まで駆け上がって、
今、10万ドン程度です。
確かに厳しい動きではありますが、
PER100倍近くになった人気銘柄を追いかけるなどをせずに、
きちんと銘柄を選んできていれば
(といっても上場株のほとんどは非常に割高でしたから、
結果的には一部のOTC銘柄ぐらいしか、
割高ではない銘柄がなかったわけですが)、
インデックスほどは、酷い下げになっていない印象です。

また、値幅制限のある上場株に比べ、
値幅制限がないために先行して大きく下げていたOTCの
一部の銀行株や不動産株に関しては
ここ2週間ぐらいで底を這うような状況になってきており、
反発している銘柄も出てきています。
(逆に言えば、
それだけ相当売られ込まれていたわけでもありますが)

もっとも、
未だ落ち着きを見せないインフレ(=厳しい金融引き締め)、
拡大する貿易赤字
(輸出は堅調に増えているが、
それ以上に輸入が増えてしまっている状態)
など市場を取り巻く状況は予断を許さない状況です。

また、今の外国からの直接投資額の推移と
貿易赤字を月次ベースで比べてみると、
外国からの直接投資の金額は
前年同期比で倍増以上に伸びていますが、
その一方で貿易赤字の伸びも激しく、
簡単に言えば、
いままでは直接投資額の方が大きくて
ネットでベトナムに
お金が入ってくるような状況だったわけですが、
現時点では、均衡、
あるいは貿易赤字の方が若干大きい状況になってきています。

これは輸出が伸びていないわけではなく、
輸出は前年同期比で20%以上と、
そこそこコンスタントに伸びているのですが、
それ以上に輸入が急激に伸びてしまっているのが原因です。

ですので、
もしも何かの拍子に
外国からのベトナムへの投資が止まってしまうと、
混乱が起こってしまう懸念もなくはありません。
いずれにしてもインフレは急激には改善しませんので、
どうしても、もう少し厳しい状況は続きそうです。

 
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2008年5月29日(木)

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