"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第104回
中国の石油機材メーカーの株価は下落も・・

アメリカに上場する何百ものETF(上場投資信託)の中で、
直近3ヶ月間の上昇率第1位は
United States Oil Fund LP(USO)というものです。

また日本やナスダックのハイテク企業の株価動向の目安にする
「フィラデルフィア半導体指数」というものがあって有名ですが、
石油関連銘柄にも
「フィラデルフィア・オイルサービス指数(OSX)」
というのがあり、
そちらも高値を取る一方です。

またアメリカに上場する石油サービス関連の個別銘柄を見ても、
山東墨龍や天大石油管材と競合するような企業の株価は
最高値圏にあり、上がり続けています。

一方で
中国の石油機材メーカーの株価は
3月まで大きく下がり続け、
先月からは全体相場にあわせた分だけ反発をしていますが、
世界の石油関連銘柄が
指数と逆行して伸び続けていることを考えると
出遅れている、
あるいは趨勢に反して割安であるとも考えられます。

天大も山東墨龍も
石油採掘に必要な油性管を作っている会社ですが、
その顧客である中国石油メジャー会社の設備投資は旺盛です。
その額は殆ど国防費に匹敵するほど巨大なものとなっています。

世界全体の石油消費の増加量のうち、
中国一国が占める割合は毎年3〜5割にもなりますが、
これを輸入に頼っていたのでは
世界の需給バランスを崩しますし、
また国防上も良くありません。

丁度70年台の石油危機の時に、
アメリカでは上がり続ける原油を輸入に頼る構造から脱皮するため
国内で石油開発ラッシュとなったのですが、
これと同じことが今中国で起きています。

今後も中国が国策として
石油開発を続けていくことは間違いないでしょう。
山東墨龍は油性管の分野で国内最大級、
また天大石油は7位あたりの規模ですが、
シームレスパイプという高級品に特化した会社で、
共に市場の見通しは良いと思います。


<次回に続く>

 
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2008年6月5日(木)

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