"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第110回
日本企業との差を徐々に詰める山東墨龍

さて、前々回、近年の油田は非常に深くなってきており、
深くなればなるほど高温・高圧となるため、
より強度の高いケーシング鋼管が
求められていることを書きました。

パイプの継ぎ目が
そういった過酷な状況にやられてしまいやすいために、
現在ではシームレスパイプという
継ぎ目のないパイプが主流になってきています。

見学させていただいた山東墨龍の新工場では
そのシームレスパイプを製造しているのですが、
06年3月に完成したという工場は
25万トンの生産キャパを持ちます。

試験生産から開始し、
まだフル生産には至ってないとのことで、
今後市場のニーズを得るに従い生産キャパ一杯まで拡大できます。

まだまだ最高レベルの強度を持つ鋼管は
日本の鉄鋼会社が優位性を保っており、
山東墨龍の副社長もハイエンド商品は
日本にはかなわないことを認めています。

しかし数年前のローエンド商品主体だったのが、
現在では完全にミドルクラス以上になっており、
差は縮まる一方で、
広がることはありません。

山東墨龍は中国3大石油会社を顧客に持つほか、
海外でも輸出比率が4割に達するなど製品の評価は高いものです。

副社長によると、
中国には石油採掘機械を作る会社はたくさんあるものの、
業界自体はそう大きくなく、
市場シェアを分析できる資料は持っていないとのことでした。

ただし製品によっては1割ほどの市場シェアを持っており、
また商品数の多さではどこにも負けないとのこと。
正確な順位はわからないものの、
有る程度の順位にあることは間違いなさそうです。


<続く>

 
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2008年6月26日(木)

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