"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第112回
山東墨龍の07年決算内容確認

07年度決算内容は、ほぼ予想通りの数字と言え、
売上は250億円規模に達して+67.7%の大幅増収、
純利益は+43.7%とこちらも大幅増益でした。

原油高により中国国内の大手2社向けだけでなく、
売上の半分近くを占めるようになった海外でも
盛んな採掘活動により、
地下や海底の油田へ通す油性管と呼ばれる
鉄のバイプを販売する同社の売上も大きく伸びました。

利益率がやや減っている(粗利益段階から)のが
気になるかもしれませんが、
これは商品の構成比が変わったことにより、
それほど問題ではありません。

昨年は売上の13%台だった「ケーシング」と呼ばれる
油田用鋼管が+420%の大増収となって
全売り上げの42%を占めるほどに成長しました。

しかしこのケーシングの生産ラインは
まだ開発途上(25万トンの生産キャパの8割しか使用していない)
でフルに生産効率が上がっておらず、
従来の主力製品に比べて粗利益率が低いのが現状です。

従って生産ラインがフルに回って効率的になれば、
利益率は改善されると思われます。
昨年12月に「懋隆グループ」の株100%を買収し、
今期からは懋隆機械及び
その付属の会社が連結決算対象になります。

懋隆グループの07年売上は
5.97億人民元、純利益は5500万元で、
それぞれは07年山東墨竜の売上と利益の1/3と1/4ぐらいです。
今年から連結されますので、
これらの売上と利益がそのまま増収増益となります。

また研究開発で優位性のある懋隆グループの買収によって、
開発力や生産効率面からも期待ができるかもしれません。


<続く>

 
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2008年7月3日(木)

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