"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第117回
有望な天然ゴム市場

さて、水力発電所を見学した後はゴム農園の開発現場へ。
水力発電所の建設現場から、
さらに車で1時間30分ぐらい、
山の中を車に揺られていきます。

ところでゴム農園というと、
そもそも有望なのか?
と思われる方もいらっしゃるからもしれませんね。
かくいう私もその1人だったわけですが、
これが話を聞いていくと、有望に感じます。

まず、ゴムには天然ゴムと石油化学製品である合成ゴムがあって、
およそ天然ゴム4割、
合成ゴム6割といった割合で利用されています。

原油価格が上昇すると、
当然合成ゴムの価格も上昇します。
そして天然ゴムもそれに連動します。
つまり、原油価格に
連動しやすい性質を持っていると言うことです。

そして実際の所、
直近のゴムの先物価格は上昇しています。
5月の時点では前年同期比で14〜17%の上昇とのこと。
さらに中国の在庫減少や降雨のために収穫が遅れていること、
原油価格が上昇していることなどから、
その後も上昇を続けています。

言うまでもないですが、
ゴムは車のタイヤや
日常利用するそれこそ数多くの製品に利用されるため、
中国やインドを中心とした新興国が成長すれば、
自然と需要は拡大します。
そしてゴム農園は植樹から収穫するまでに時間がかかります。

ですから、
急激には生産量を拡大できません。
ただ、これまでは植樹から採取までに
7年ぐらいかかっていましたが、
最近は品種改良の結果5年で
ゴムを採取できるようになっています。
そして1度採取できるようになると
20年近く採取を続けることができます。

さて、HAGLは
ラオスとベトナムに合計3万ヘクタールの農園を計画しており、
既に植樹は始まっていて、
3万ヘクタール全ての農園の植樹が終わるのは2010年です。
実際に開発中のゴム農園を見ていると、
植樹は順調に進んでいました。

ちなみに、
ベトナムにはドンフーゴムという
大手ゴムの上場会社がありますが、
同社は8600ヘクタールのゴム農園を運営していて
07年の利益は2300億ドン前後あります。
そして08年は、
ゴム価格の上昇でさらなる利益拡大が予想されるところです。

面積比で考えると単純に3.5倍としても、
相当な利益額になり、
かつ収穫さえ始まれば毎年安定的に利益が出る事業なので、
有望な事業だと思います。

しかもHAGLにとっては
植樹の際に出る木材や、
収穫後のゴムの木は自社の木工製品の原材料に活かせますので
一石二鳥です。

ということで
ゴム事業も有望なのですが、
個人的にそれ以上に有望だと思うのが、
同時に展開している鉱山開発&鉄鋼事業です。
これはかなり強力ですが、説明は次回に譲りましょう。


<次回に続く>

 
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2008年7月22日(火)

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