"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第128回
困難な経験を重ねていくうちに・・・

ベトナム株の反発が続いています。
ただ、上場株に関しては、
ホアファットとかペトロベトナムドリリングなどの
上半期の業績が良かった大型銘柄で
一足早く底値から倍になったような銘柄は、
とりあえず上昇一服というところに。
株価にも、
少し前のような大きな割安感は無くなってきました。
出遅れていた小型株の方は上昇が継続しています。

OTCの方でも、
たとえば、ディンブ鉄鋼は
約1年前の第三者割り当ての時から株価は2倍に跳ね上がって、
久々に目の覚めるような上昇になっているし、
HAGLについては、
昨年末ごろの第3者割り当て時の株価まで戻してきました。

ただ、やはり現時点では期待先行で戻している感があって、
本当に安心できるような状況かというと、少し違います。
やはり本当に安心できる状況になるには、
どうしても金融緩和が必要で、
それにはインフレがもう一段収まる必要があるでしょう。

しかし早めに舵を切りすぎると、
またインフレ懸念の種をまくことになって元の木阿弥だし、
遅すぎると本当に景気が失速してしまう恐れがあります。
まぁ、国際商品市況の動向もありますから一概には言えませんが、
ここからがベトナム政府にとって正念場というところでしょうね。
しかし、昨年後半からのインフレの波があったせいで、
逆にベトナム政府の舵の切り方も、
少しは頼りがいが出てきた感があります。

たとえば、8月の貿易赤字が発表されましたけれども、
消費者物価指数同様、
7月よりは拡大したものの、
以前に指摘したように政府がある種、
強引とも言えるぐらいまでに
輸入を押さえ込んでいることもあって、
貿易赤字幅自体は小さい額で推移させることに成功しています。

まだまだ未熟な面や非合理な面もたくさんありますが、
このような困難な経験を重ねていくうちに、
自然と一番いい舵の切り方を覚えていくのではないでしょうか。

 
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2008年8月28日(木)

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