"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第134回
下落すれば反発し、反発すれば下落する

好調だったベトナム株も
米国発のクラッシュの影響によって大きく株価を下げています。

リーマンブラザーズのような投資銀行が破綻していくと、
投資をしている機関投資家への資金供給が止まりますから、
投資を急速に縮小させなければなりません。
そういう意味でも相場にはかなり深刻な影響があります。

また、今回の米国のクラッシュは当たり前ですが、
リーマンブラザーズに限ったことではなく、
どこの金融機関も似たり寄ったりと考える方が自然です。

実際、次の破綻候補先の1つである、
米貯蓄金融(S&L)大手ワシントンミューチュアルが
既にS&Pによって
ジャンク債扱いのレーティングに格下げを受けています。

一つ片付いても
次の破綻先が列をなして政府の救済を待っている感じですから、
当然ですけど、今回の状況が落ち着くには、
しばらく長引くでしょう。

好調だった、ベトナム株も当然ながらその影響を受けています。
ただ、前回大きく暴落した6月とは、状況が違います。

韓国をはじめとしたアジア諸国の通貨は大きく動いていますが、
ベトナムドンは安定していて、
かえってドン高傾向になっていて
中央銀行が外貨購入を始めています。

また、消費者物価指数の上昇率は、
まもなく9月の数字が発表となりますが、
前月比ベースで0.3〜0.5%程度の上昇になるのではないか
と見込まれているぐらいですから、
これは相当落ち着いてきていることになります。

といいつつ、
8月中旬から9月上旬までタイの白米先物価格が
ずっと上昇していたので、これはどうかな?
と思っていましたが、
世界的なクラッシュの最中に下落してきており、
一安心といったところでしょうか。

しばらく厳しい相場展開が続くことになるでしょうけれども、
最近、ベトナム株に強気の発言をした
マークモビアス(テンプルトン・アセット・マネジメントの
新興市場部門総責任者で新興国投資に関しては
世界的に著名なファンドマネ―ジャー)の言葉を借りると、
「下落すれば反発し、反発すれば下落する、
それが株式市場というものです」
ということですから、
逆に大きく下がったところで、
普段は下がらないような優良株を
苦しみながら買い集めることでしょうか。

でも実際のところ、ここに来て、
ようやく業績がよいのに、PER5倍以下、
配当利回り10%以上の銘柄も増えてきました(中国株にも)。

次の上昇時期までには、相当な時間がかかるでしょうが、
中国株を昔からずっとやっている人にしたら、
なんとなく、昔の中国株の値頃感に戻ってきたか・・・、
というような感触もありますよね(辛いですけど)。

 
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2008年9月18日(木)

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