"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第152回
中国本土A株は底堅くなりつつあります

もう、皆さんご存じのとおり、11月9日、
中国政府は今後2年間で4兆元(約57兆円)の
景気刺激策を発表しました。

鉄道建設を主とするインフラ投資が重点施策となっていたため、
中国A株市場では鉄道と関連する鉄道建設、
車輌製造、セメント、及び鉄鋼などの銘柄が急伸しています。
結果として、発表のあった11月9日(日)から1週間あまりで
上海A株指数は16%も上昇しました。

4兆元投資額のうち、
08年内に実施する投資額は合計1000億元(1兆4180億円)です。
この1000億元投資の第1弾として、
中国最大の電力配送会社である
国家電網公司が27.3億元(387億円)の
送電網整備用の投資額を獲得したことが
11月14日に明らかにされました。

これにより、国家電網公司は複数の電力設備メーカーと
総額71.1億元(1008億円)の設備仕入契約を締結。
27.3億元の政府投資の上、
自社による90億元の資金調達を加え、
08年年末までに合計120億元(1701億円)の設備仕入れ投資を
計画しています。

さらに今後2年中で約1.16兆元(16.5兆円)の
送電網建設投資をも計画していると国家電網は発表しました。
これに対して、本来同社が設定した今後2年の投資額は
5500億元(7兆7990億円)でしたから約2倍になった計算です。

同情報の影響で、17日(月)のA株市場では
電気設備セクターが大幅に上昇し、
その内、14の銘柄がストップ高となりました。

そして現在、4兆元の景気対策に次ぎ、
中央政府がさらに一部の国有企業を救う政策を出すと
予測されています。

中国東方航空と中国南方航空が政府から
各30億元(425億円)の資金注入を受ける観測が出ていますが、
この影響でA市場の航空銘柄は
相次いでストップ高となっています。

今回は政府が国有企業への資産注入の第一弾であり、
これから他の国有企業への
資産注入が続いていく可能性が高くなっています。

08年、原油高の影響で、航空会社の業績が悪化して、
負債比率は非常に高くなっていました。
今後同じような経営問題を面している国有企業は
政府の資金注入の対象となる可能性があり、
次のターゲットになるのは、
電力会社になるのではないかとの予想が出ています。

マクロ政策の影響で17日にA株はやっと
1ヶ月ぶりに2000ポイントを回復しました。
A株市場では次ぎのホットなセクターはしばらく、
政策資金の行き方に次第だと考えられています。




 
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2008年11月20日(木)

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