"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第154回
銘源医療のガンチップの見通しは!?

こんな質問をいただきましたので、
今回から3回にわたり、少し書いていきたいと思います。

まず、本題の前に、中国の保険についてみてみましょう。
現在、中国では、社会保険(国がやっている保険)と
商業保険(企業がやっている保険)との
二つの保険形態が存在しています。

社会保険には養老(日本の国民年金に当たる)、
医療(日本の国民健康保険に当たる)、
失業、労災及び出産との五つの分類があります。
保険料は企業と個人が共同に負担しており、
企業の負担する部分は管理費用に計上し、
個人の部分は企業が個人の月給から天引きし、
両者を一括して企業が納付します。

企業と個人が各保険を納付する比率が以下の通りです。

         企業    個人
(1)養老保険 20%    8%  
(2)医療保険 10%   2%+3元 
(3)失業保険 1.5%   0.5%
(4)労災保険 (業界次第)
(5)出産保険 0.8%

以上の納付比率で15年分以上の保険料を払済みの労働者は
定年後に毎月の基本養老金(年金)が支給されます。

企業が社員に社会保険を支払うのは
義務として規定されているので、
中国都市の労働者のほとんど
(出稼ぎ労働者は流動的ですので加入割合が低いですが)
は社会保険に加入しています。

ただし、社会保険だけでは保障性が高くないため、
保険内容を補完するものとして商業保険が
近年中国の都市では普及するようになっています。

中国の商業保険にもいろいろな種類があります。
その中で、人気の保険の1つが重大疾病保険(癌を含む)です。
社会保険にある医療保険の保険側の医療負担費の比率が
50%しかなく、重い病気を患えば、
大きな負担となるという心配があるので人気があります。

さて、タイトルにある銘源医療(0233HK)
という銘柄がありますが、同社は癌保険加入時に利用される
ガン検査チップを製造する会社です。

同社製品を利用している人寿保険の癌保険は
現在のところ上海の周辺だけで販売されています。
しかし、今後、北京や全国で発売されれば、
同社の保険を利用する人は多いのではないでしょうか。
次回以降、その理由についてみてみましょう。

<次回に続く>




 
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2008年11月27日(木)

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