"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第176回
中国最大のEコマース運営企業

前回に続き、アリババドットコムのレポートの続きです。

(2)中国最大のEコマース運営

アリババドットコムはアリババグループ9社の中の一つであり、
グループは中小企業支援、インターネット、
企業間電子商取引に関する会社で構成されています。

中国最大のEコマースグループと言っても
ピンと来ないかもしれませんが、
以下に日経新聞広告欄等で書かれていた
グループの具体的なビジネスを要約してみます。

中国はすでに2億人のインターネット人口を持ち、
今年アメリカを抜いて世界最大となりました。
同時に携帯電話人口も6億人で、
データ通信が急速に増えています。
貿易額も世界一なのは言うまでもありませんが、
日中貿易だけで年間25兆円あり、
将来この10%がアリババを通じて交易されることを目標に
「アリババ・ジャパン」がリニューアルオープンされました。

楽天市場のようなC2C/B2C市場を提供するのが
グループ内の「タオバオ」です。
同マーケットプレースは8300万人のユーザー登録を持ち、
130万の出店者によって2億品目が掲載され、
毎日180万件の商品が落札されています。

タオバオは中国のサイト訪問者数ランキング
第6位となっています。
(1位はBAIDU、2位はテンセント、3位がSINA、
5位 NETEASEと先ほどのグラフにあった企業が
上位を独占しています。ちなみに4位はグーグル)

同社会長によると10年以内に年間取引総額30兆円を
タオバオだけで目指すとのことです。
タオバオ出店者に調査したところ、
仕入れをしたい国の一位が日本(31.7%)となり、
品質のよい日本製品を輸入仕入れしたい中国業社が
多いことが判明しました。

そこで中小企業間取引(B2B)を担当する
アリババドットコムの出番です。
登録ユーザー数は240カ国から2600万人を超え、
386,000社が有料サプライヤー(アリババの収入源)として登録し、
掲載商品数は1億品目以上を持つ卸売買サイトです。

日本の中小企業で中国に商品を売りたければ
まずアリババに登録します。
そしてタオバオの出店者であれば
年間平均210万円を仕入れますし、
10件見つければ2000万円のビジネスが可能です。
より大きく卸すのであれば
アリババ登録企業の一回平均仕入れ額は920万円となっており、
2600万社の中からビジネスパートナーを見つけることが可能です。

取引の決済問題はグループ内の
「アリペイ」が解決してくれます。
前もって預託金を取ってプールし、
支払を確実にしていくものです。
マーケティングにはグループ内の「アリママ」という、
1日30億ページビューを持つサイト使って
オンライン広告ができます。
また中国ヤフーもアリババグループの一員であります。

 
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2009年2月12日(木)

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