"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第177回
アリババドットコムの08年中間決算

引き続きアリババドットコムのレポートです。

※こちらのレポートは08年12月中旬に作成した
レポートからの転載ですので若干表記が古くなっています。

アリババの業績推移

08年中間決算は47.8%増収、136.2%増益となり、
これまでの200〜300%増益からは鈍化したものの
高い成長を続けています。
利益率も変わりません。

ただし1年後の売上になる前受け金の推移を見ると、
前年比29.5%増程度と大きく鈍化してきています。
景気減速の影響を受けると予想され、
来期は減益予想するアナリストも出てきています。

またアリババは先月主な会費を60%も値下げし、
短期的な減速を覚悟で長期的な成長を目指す内容で、
これによって来期の利益率が下がることも予想されます。
アナリストの予想もまちまちで、
11名が出した目標株価はHK$3.01〜16.00までばらついており、
強い推奨が3名居る反面、
売り推奨も2名と評価は分かれています。

同社のビジネス要因の一つ、
企業間取引においては景気減速で「下向き」に違いありませんし、
それが売り推奨側の理由となっています。
中国の輸出、輸入とも最新の統計では大きく減少しています。

しかしもう一つの要因であるネット人口は増える一方で
長期に「上向き」のままです。
世界的にネット人口が増え続け、
交易の中心舞台が中国であり続けることは
疑問の余地がありません。
しばらく景気が下向きだとしても、
次に景気とネット人口の「両方揃って上向き」となる時期が
アリババの株が大きく上がる時でしょう。
それに向けて来年3000人の新規雇用を行い、
日本でも大きなプロモーションを行い、
値段も見直す等、準備を行っている段階だと思います。

減速となっても下値支えの一番は十分に下落した株価です。
上場以来全ての決算で3桁増益を続けながらも
株価は上場時から10月末までに9割も下落しました。
多少減益となったとしても、
もはや急落する株価ではないと思います。

 
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2009年2月17日(火)

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