"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第179回
アリババの財務チェック

アリババドットコムのレポートの続きです。
今回はアリババのバランスシートと
キャッシュフローを確認してみましょう。

アリババのバランスシート


アリババのキャッシュフロー

上記にあるように、財務の安全度は完璧に近い内容です。
有利子負債はゼロで大量の現金を保有しています。
キャッシュフローで現金が減っているように見えますが、
減った分は定期預金に移っただけで
その分が投資キャッシュフローとなっています。

この会社には在庫がなく、また前金による支払ですので
「売掛金」というものが存在しません。
つまり運転資金はゼロで済みます。
その分現金を買収や大きな設備投資に使用することが可能です。

また、この会社ほど自社の株を売買するタイミングが
パーフェクトな会社はありません。

上場したのが2007年11月と、
まさに相場の絶頂ピーク点で自社株を高く売り出して
資金調達しました。
そして上場翌日につけたHK$40.5からは加熱感と金融恐慌、
不況が重なって半値からさらに半値となっていきましたが、
いくら安いと思えても一切自社株買いを行いませんでした。

その後10月に10分の1となるHK$4割れで
ようやく底打ちリバウンドに入った11月に、
初めて自社株買いに動き、今日まで計300万株を買い増しました。
同社が自社株買いに入った後は1日も下がっていません。
自社株買いの総計画は20億香港ドルが上限となっており、
まだ1割も消化していません。

最高値で売り出し、
最安値で買い直せた同社の千里眼を信用すれば、
底打ち完了したのではないでしょうか。
(※08年12月18日時点の意見です)

 
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2009年2月24日(火)

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