"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第180回
万科企業とホアンアインザーライ

万科企業と言えば、
中国トップの不動産会社にして、
他社が値下げをしなうちから率先して価格を引き下げて、
積極的な販売攻勢をかけてきました。

現在のその攻勢を強めており、成功しています。
09年1月も、販売面積が前年同期比24%増の28.6万平米、
売上は同19%増の21.9億元となっています。

ベトナムでこれとダブって見えるのが
ホアンアインザーライ(HAG)です。
ベトナムの不動産市況も中国同様に低迷していますが、
同社は09年に入って価格を大幅に引き下げて
積極的な販売攻勢をかけています。

具体的には、ここでもお伝えした
リバービュープロジェクトなどの2つの高級不動産物件で、
平米550ドル〜990ドルの値下げという
かなり思い切った戦略をとり、
新価格をそれぞれ平米1,350ドル・1,250ドルとしました。
しかし、これだけ値下げをしても、
資材価格の低下や人件費が下がっていることなどから、
HAGの利益率は30〜40%が確保できることが見込まれています。

果たして新価格で発売した2月16日だけで
100戸が販売され、翌17日には早速20戸の手付金が支払われ、
予約は100件近くに上ったといいます。
直販以外でも販売されており、
代理店を務めるサコムリアルでは、
予約50戸、興味を示した顧客も100人以上はいたとされます。

値下げによって失われた計算上の利益
(もしも値下げをしなかった場合に得られた利益と、
値下げした場合の利益の差異)は
およそ1億4000万ドルに上るとも見られています。
しかし、HAGが手に入れることになるのは、
それ以上に価値のあるものなのかもしれません。

 
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2009年2月26日(木)

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