"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第200回
山東墨龍(0568)の決算レビュー4

これまでの続きで
山東墨龍(0568)の2008年決算レビューをお送りします。
ちなみにこのレポートは3月16日に
有料会員向けに発信したもので、
その後株価は約2割上昇しています。
決算内容を早く理解していれば、
思い切って買うことが出来た好例です。

*  *  *  *  *  *  *

2000年初頭から原油価格$147のピークをつけた昨年7月まで、
リグ数は右肩上がりで増え続けてきたのですが、
原油急落に合わせて9月から一気に
半減するようなところまで減ってきています。

それでいて中国の石油メジャーは
旺盛な設備投資を継続しているのは、同国の将来を考えた場合、
どうしても今将来の生産を増やす投資を
行わなければならない事情があると推測されます。

もう1つ中国の石油設備投資が落ちない理由は、
世界的に中国の石油掘削や探索のコストが安いことにあります。
アメリカなどはコストが高すぎ、今の原油価格45ドルでは
とても採算に合わない油田が多いのとは事情が異なります。

今のように原油価格が歴史的な底値を這っている時でも
同社の業績や最新の受注は好調です。
米国の石油開発機械メーカーの株価が
原油価格下落で落ちているのは仕方ないとしても、
山東墨龍の株価もそれに合わすような必要はないと考えます。
そして現在の原油安時でも好調さを保っているのですから、
将来再度原油高になれば
一層設備投資熱が高まるのは必至でしょう。

国際エネルギー機関(IEA)の事務局長田中伸男氏は
現在の油田生産能力拡大への投資削減によって、
2013年までに新たな石油危機が起る可能性があると警告し、
2010年から世界の原油需要が回復し始める見方を示しています。
長期的には原油価格の回復、
原油生産に対する設備投資の再開というシナリオが描け、
石油採掘設備メーカーの市場には成長性があると思います。


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2009年5月7日(木)

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