第202回
山東羅欣薬業(8058)の決算レビュー2
引き続き、山東羅欣薬業(8058)のレポートをお届けまします。
ちなみにこのレポートは
4月6日に有料会員向けに発信したもので、
その後株価は約3割上昇しています。
こちらも、決算内容を早く理解していれば、
思い切って買うことが出来た好例です。
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(2)業務基盤の強化
2008年は第3期の生産能力拡大プロジェクトがすべて竣工し、
生産稼動となりました。
生産量の拡大によって市場シェアが向上しています。
無菌原料薬及び化学原料薬の生産量はともに200トン増加させ、
特に凍乾注射用粉末剤の生産量は中国1位となっています。
工場の増設以外では
1962万元を投じて斉魯医療社の20%の株式を取得しました。
斉魯医療は医療関連の管理及びコンサルティングの業務を
従事しており、薬品及び医療器械の貿易会社でもあり、
同社にとって関連業務の拡大と
シナジー効果を狙った投資とみられます。
その他には医薬物流センターの建設があります。
同プロジェクトは2期に分けて建設され、
第1期目はすでに稼動開始し、
第2期プロジェクトは2008年末に開始されています。
これらを固定資産額の推移でみると、
工場と機械類の減価償却前の価格は
2006年末の5797万元から昨年末までに1億1406万元に、
またオフィスビルの資産額も同様に6247万元から
1億6319万元へ大きく増加し、業務基盤を拡大させています。
これらの増強を負債に頼らず、
ほとんどを本業の利益からの再投資だけで
自己増殖している点も強みです。
新薬の研究開発には売上の3.5%程度を振り当て、
ほぼ同額を広告宣伝費にもあてています。
2008年度では27の製品が国家レベルの審査を通っています。
同社の商品数は200種類以上にもおよびます。
客観的な評判としては、
2年連続で米国「Forbes」誌の
「中国最も潜在力のある中小企業ランキング」内に選出され、
2009年の順位は前年の144位から34位まで大幅に躍進しました。
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