第203回
山東羅欣薬業(8058)の決算レビュー3
引き続き、山東羅欣薬業(8058)のレポートをお届けまします。
ちなみにこのレポートは
4月6日に有料会員向けに発信したものです。
推奨時株価は2.1HKドルでした、5月18日には3.25HKドルまで、
1ヶ月足らずで約55%上昇しています。
こちらも、決算内容を早く理解していれば、
思い切って買うことが出来た好例です。
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(3)財務は強化、売掛債権回収も一安心
■山東羅欣薬業のバランスシート推移
中間期よりも売掛債権と在庫が圧縮され
運転資金が軽減されたことで現金残高が増加しました。
また負債のうち、有利子負債は全て返済してゼロになっており、
財務の安全度はさらに強化されています。
中間期では売掛債権のうち、180日超のものが急増し、
全体の27.2%になり心配されました。
しかしこれらはすべて半年経って365日超になっているはずですが、
08年末時点では365日超の未回収債権は僅か1.6%しかなく、
心配された分の殆どが無事回収されたことになります。
08年末では新たに増えた分を合わせて
180日超の債権は16%に減少しています。
まだ前年度の8.2%に比べて多いですが、
180日以内の回収率は下がったものの、
遅くとも1年以内には回収できていることが確認されました。
■山東羅欣薬業のキャッシュフロー推移
中間期では売掛債権の回収に遅延が見られたことで
運転資金が利益の増大以上に増加し、
営業キャッシュフローはマイナスとなっていたことが
心配されました。
しかし通期では回収が進み、
在庫や売掛債権は売上の増加に伴って増大はしましたが、
同時に買掛債権も大きく増えたため、
運転資金の増加は利益の半分以下となっています。
このため営業キャッシュフローは過去最大となり、
設備投資額を大きく上回って
フリーキャッシュフローも過去最大を記録しました。
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