"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第206回
東江環保(8230)の決算レビュー1

今回から数回に渡り、東江環保(8230)の
レポートをお届けまします。
ちなみにこのレポートは4月9日に有料会員向けに
発信したものの一部です。

有料会員向けの推奨ポートフォリオでは、
決算分析の結果、東江環保(8230)の目先の動向は
厳しいとの判断から天大石油(0839)への乗り換えをしました。

ちなみに、推奨時株価は1.81HKドルでした、
5月26日には2.19HKドルまで、21%上昇していますが、
同期間、天大石油(0839)は1.72HKドルから2.80HKドルまで
63%上昇しています。
こちらは、山東羅欣薬業(8058)と山東墨龍(0568)とは異なり、
決算内容を早く理解していれば、
思い切って良い銘柄に乗り換えることが出来た好例です。
※なお、長期であれば、同銘柄も魅力はあると思います。

*  *  *  *  *  *  *

(1)本決算レビュー

東江環保の売上と利益の推移

売上高は前年比+8.2%増となりましたが、
営業利益では+1.5%成長に留まり、
また純利益では▼24.2%の減益となり、
上半期からは一転して失望決算でした。

純利益の減少はこれまで得ていた
最初の2年間だけあった優遇税率期間が終了したこと、
また子会社の属する市によって税率はバラバラなのですが、
多くの関連企業がある深セン市経済特区で法人税率が
3%アップされたことなどが影響しています。

また有利子負債が大きく増えたことで
利払いコストが増加もしています。
しかし本業の方でも鈍化が後半に表れ、
それは主力であるリサイクル製品販売における
硫酸銅(リサイクル製品の中でも7割を占める)の販売価格が
資源価格急落によって下半期に利益が落ちたことによります。

特にリーマンショック後の第4四半期単体では
赤字となった模様で、その流れを継いだ
今年第一四半期までは同様の厳しい状況が予想されます。

■部門別販売構成推移
リサイクル製品の販売と廃棄物処理サービス
08年  (前年比増減)  07年
87.9%  +7.1%     88.8%
環境保護システムの設置・運営
9.3%   +10.2%    9.2%
化学製品の販売
2.7%   +45.0%    2.0%

■部門別利益率推移
08年      07年  
リサイクル製品の販売と廃棄物処理サービス     
26.0%     22.5%
環境保護システムの設置・運営
▼19.0%   7.2%
化学製品の販売
▼19.3%   38.8%

主力のリサイクル販売と廃棄物処理では黒字でしたが、
残り2つの部門は通期でも赤字となりました。


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2009年5月28日(木)

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