"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第208回
東江環保(8230)の決算レビュー3

東江環保(8230)のレポートの続きです。
ちなみにこのレポートは4月9日に
有料会員向けに発信したものの一部です。

推奨ポートフォリオでは東江環保(8230)の目先の動向は
厳しいとの判断から天大石油(0839)への乗り換えをしました。
決算内容を早く理解していれば、
思い切って良い銘柄に乗り換えることが出来た好例です。
※なお、長期であれば、
東江環保(8230)も魅力はあると思います。

*  *  *  *  *  *  *

(3)今年の見通し

固定廃棄物の処理サービスは売上の15%を占めるようになり、
前年の7.8%から倍増しています。

これは廃棄物の収集および処理能力が増大したことによりますが、
恵州に建設された廃棄物処理施設も2008年下半期に竣工され、
テスト稼動が開始しています。
さらに昆山にある廃棄物処理基地の拡張建設も終わり、
運営が開始されました。

廃棄物処理については工場の拡張効果で今年も順調に増加し、
売上への貢献度はさらに向上していけると思われます。
その他青島など2箇所で
クリーンメタンガスを発生させるガス発電の建設も進んでいます。

しかしながらメインであるリサイクル製品の販売については
資源価格の低下と競合激化で単価が下がっており、
マージンの低下が懸念されるところです。

全体として第4四半期には赤字であったことから、
復調は早くとも第2四半期以降となると思われ、
昨年の上半期までが絶好調であったことを思うと
(08年中間期は売上利益とも約68%成長)失速は避けられず、
下半期次第ですが連続減益の見通しも避けられないところです。
ただし、現状では環境よりも景気回復に重きが置かれていても
長期的には環境とセットにした経済成長の方向に
変わりはありません。

新たな産業政策として、
深セン市の環境保護条例が09年3月26日の市議会で修正され、
環境評価制度が導入されました。
これから新たな開発プロジェクトが
環境に影響する可能性がある場合は、
政府環境保護部門へプロジェクトの環境に対する影響について
説明書を提出する必要があります。
そして環境を破壊する行為に対しては多額の罰金を課すことや、
政府が企業の環境保護状況を年ごとに発表することなどの
制度が決められました。

深センに本社のある同社には
業務を後押ししてくれる内容ですが、
景気が回復してくれば環境に対する制度にも
力が入ってくると思われます。


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2009年6月4日(木)

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