"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第209回
天能動力(0819)のレポート1

今回から数回に分けて天能動力(0819)のレポートをお送りします。
ちなみにこのレポートは09年1月15日に
有料会員向けに発信したものの一部です。

推奨当時は0.94HKドルでした。
この時、09年予想PERは3倍、配当利回りは8.6%で、
私の提唱するところの、
いわゆる必勝ラインに近い銘柄だったのですが、
果たして5月9日には2.9HKドルまで、
約3倍に跳ね上がりました。
将来性を含めれば妙味ある銘柄だと思います。

*  *  *  *  *  *  *

(1)電動自転車バッテリー最大手

天能動力は現在中国の
電動自転車用バッテリーを製造する最大手です。

日本で電動自転車といえば
ブリジストンや宮田などの自転車メーカーから、
三洋電機やパナソニックという電池の有力企業も参入しており、
価格は7〜10万円超までバラエティーに富み、
一般にはスクーターと変わらないほど高価な商品です。
これは搭載している電池(バッテリー)が
最先端のリチウムイオンであることも一因です。

ところが中国の電動自転車は1〜4万円前後と安く、
搭載しているバッテリーは鉛酸電池
(バイクやガソリン車に搭載されているものと同じ)が殆どです。
鉛蓄電池は昔からあるもので、
鉛は人体に有害で公害の元ともなり、
電池の効率性から言ってもその後出てきたニッケル水素や
リチウムイオンに劣りますが、
なんといっても価格が安価であるのが利点です。

安価であるために中国では爆発的に普及しています。
2001年の中国における電動自転車数は
58万台に過ぎませんでした。
それが現在では累計で5000万台を超える販売数となっており、
電動自転車に搭載される2次電池(ニッケル水素、
リチウムイオンも含めるが中国では90%超が鉛酸電池)は
世界電動自転車市場全体の72%も占めていることに
注意が必要です。(日本人からすれば想像できない大きな市場)

調査会社のFrost & Sullivan社のレポートによると
2012年には累計の販売台数が
1億6800万台にもなると予想されており、
また最近の趨勢では都市部よりも
より人口の多い地方へ普及が広まっていることで
その数字の実現に現実味を持たせます。

ただこの鉛酸バッテリーは昔からあるもので参入は容易であり、
製造メーカーは中国全土に無数に分散し、
零細企業の多い市場です。
その中で天能動力は最大手となる市場シェア18.6%を
2007年末で占めており、
少しずつさらにシェアを上げてきています。
当面の目標は20%超の市場シェアです。


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2009年6月9日(火)

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