"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第210回
天能動力(0819)のレポート2

今回から数回に分けて天能動力(0819)のレポートをお送りします。
ちなみにこのレポートは09年1月15日に
有料会員向けに発信したものの一部です。

推奨当時は0.94HKドルでした。
この時、09年予想PERは3倍、配当利回りは8.6%で、
私の提唱するところの、
いわゆる必勝ラインに近い銘柄だったのですが、
果たして5月9日には2.9HKドルまで、
約3倍に跳ね上がりました。
将来性を含めれば妙味ある銘柄だと思います。

*  *  *  *  *  *  *

(2)現在の主要ビジネス

現在の同社のビジネスは
電動式自転車向けのバッテリー製造に集中しており、
全社売上の97%の占めるものとなっています。

同社は1986年に電池工場として中国浙江省で起業、
2007年6月に香港市場に上場しました。
現在までに5つの電池工場を持っており、
浙江省に3軒、安徽省に1軒、江蘇省に1軒があります。

工場場所   主要製品     工場面積(平米)
浙江省   動力用鉛酸電池       54569
浙江省   動力用鉛酸電池       26724
浙江省   ニッケル水素電池等      28628
安徽省   電極板             15531
江蘇省   電極板、動力用鉛酸電池  83264
        風力・太陽光発電畜電池
        (09年初稼動予定)

07年年末までの動力用鉛酸電池の生産能力は
年2000万個でしたが、
2008年は3100万個、09年は4100万個まで
拡大すると見込まれています。

中国全土に464の販売網を持っており、
上海、天津、江蘇省、浙江省などの主要都市部への販売と、
それら以外の地方の販売が約半々となっています。

今後も市場の発展とともに
電動自転車用鉛蓄電池は順調に販売が伸び、
同社のメインビジネスであり続けるのは変わりありません。
またこのバッテリーは数年で寿命が来ますので、
今後買い替え需要も増してくると思われます。

ビジネスの不確定要素は原材料である鉛の価格でしょう。
2007年に向けて鉛の市況価格は高騰し、
同社の粗利益率を下げましたが高騰も一時的なものとなり、
現在では2007年の上昇分を昨年すっかり消し去るほど
下がってきており、落ち着いています。
また昨年度に鉛の上昇に合わせて値上げも実行しています。

鉛は世界的に単車、ガソリン車などのバッテリーに使われており、
バッテリー容量もあるものですので、
新興国の景気が回復する場面では再度品薄
(現在の景気後退と鉛価格の下落で鉛鉱山は
どんどん閉じられているところです)によって
高騰していくリスクは残ります。


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2009年6月11日(木)

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