"次はここだよ"新興国投資術-戸松信博

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第216回
万科企業(200002)の決算レポート4

今回から数回に分けて
万科企業(20002)の決算レポートをお送りします。
ちなみにこのレポートは09年3月19日に
有料会員向けに発信したものの一部です。
レポート発信当時は7.37HKドルでした。
6月3日には一時11.08HKドルまで上昇しました。
決算内容をきちんと把握していれば
上手く上昇の波に乗ることが出来た好例だと思います。

*  *  *  *  *  *  *

全体にバランスシートは少しきつくなりましたが、
それでも不動産業界全体からすればかなり良い方に入り、
まだ余裕はあります。

大手では中国海外発展の方が
安全度の高いバランスシートを誇りますが、
万科企業もその次にランクされ、
100以上ある不動産企業の中でも
安全度トップクラスに入る不動産企業です。
(逆に最も厳しい、危険度が高いのが広州富力地産となります)

取り掛かり中の開発物件在庫は一年前より少し増加しました。
総資産に占める在庫の割合は72.5%に上がり、
前年より5.9ポイント上昇していますが、
昨年半ばからは開発を控えて
増加ペースを減速させている様子です。

そして何よりキャッシュフローを回収に向かっており、
新規開発を抑えて財務を危機的な状況に
ならないようしているようです。

万科企業のキャッシュフロー

これまで開発を急ぎすぎたために
営業キャッシュフローは大な赤字が続いていましたが、
前期はトントンにまで戻し、現金の流出を防いでいます。

そしてここ数年では始めて売掛債権の回収額の方が、
新たに支払った仕入れ額よりずっと大きくなったことで
実質的には営業から大幅な現金黒字の状態でしたが、
税金の支払いが巨額だったために
最終的な営業キャッシュフローはトントンとなりました。

投資キャッシュフローでも一部子会社株を売却し、
現金流出を控えています。

この調子で行けばフリーキャッシュフローも生まれ、
すでに十分な運転資金を持っていますが負債を返し、
より財務内容を強化することも可能です。


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2009年7月2日(木)

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