医師・豊岡憲治さんの嘘のようなホントウの話

第450回
ときどき無性に腹立たしいことがあるのです

怒りっぽい、癇癪持ちなどと
笑ってすまされることでない現実があります。
一緒に暮らしている人には大迷惑なことなのですが、
本人にとっても
結構これが悩みの種になっていることがあるのです。

特別なこともないのに、
よせばいいのに、子供をちょっとしたことでなぐってみたり、
ものすごい剣幕で怒ってみたり、
または、連れ合いに対して、そんなことをして、
顰蹙(ひんしゅく)を買ってみたりすることがないですか。
こういうことなんとかならないですか?
と相談されることがあります。

ダニエル・エイメン著、
「愛と憂鬱の生まれる場所」を読んでいると
左の側頭葉に問題があると、
人は暴力的になるということが書かれてあります。
実際、こういう相談をされる人には、
みな左の側頭葉に問題があるのです。
そこに子供の頃の脳挫傷の後の反応があったり、
覚えていない出産の時の
脳の損傷の後があったりする人もいます。
また、出血の反応のある人もいるのです。
急に怒りっぽくなったなんていう時には、
CTやMRIなどではわからないような
少量の出血の反応があることが多いのです。
その出血を治療するとまたもとのイイ状態になるのですから、
なんとも不思議な現象と思われる人もいるのです。

暴力的というのは、
遺伝的という素質もあるかもしれませんけど、
暴力を振るうことで、子供の脳にダメージを与え、
それがたまたま左側頭葉だとそのダメージが一生残り、
そのために子供も暴力的になる、
その連鎖が続く可能性がないとは言い切れません。
家庭内暴力というのは、
もとをたとれば、脳の問題なのですから、
ひょっとしたら、
左の側頭葉にダメージを与えるほどの暴力を受けて、
それが連鎖反応でそうなっている可能性がないでもないのです。

脳が全く正常に働いていると
ほとんどの人は平和主義になると思っている私ですが、
そう思えることがたくさんあるのです。
子供の頃の記憶にないような外傷がきっかけで
そうなることもあります。
階段から落ちたとか、
ふとした弾みにだっこしていて落としてしまったとか、
理由は色々あるはずです。
で、その時、症状が特別変った事ないと、
なんともないと済まされてしまうことが多いのです。
ましてやCT、MRIで異常ないというお墨付きを受けたら
尚更ほおっておくでしょう。
ほとんどなんともないことが多いのでしょうけど、
そうでもないこともあるのです。

ちょっとしたことで、
なんでこんなに怒らないといけないの?とか、
怒り出すと手が付けられないとか、
普通から考えて、こんなことしなくてもいいじゃない、
という事があったら、
ひょっとして左の側頭葉に問題がありゃしない?
と考えて、治療した方がいいかもしれないと、
そのことが今後の人生を左右することもあるのです。


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2006年12月15日(金)

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