医師・豊岡憲治さんの嘘のようなホントウの話

第451回
歯ブラシの話(大人のための性教育)

男と女がいて、それなりに発達すると、
セックスで子供ができるということを教えるのが
性教育というらしいですが、
もっと重要なことは、セックスは病気を伝播する手段なのだ
ということを案外知らない人が多すぎるようなのです。

訳知り顔の人と話しをしていても、
案外知らないという人が多すぎるというのが印象です。
自分で無症状だから、病気を持っていない
と誤解している人が多すぎるようなのです。
また、相手が無症状だから細菌やウイルスを持っていないだろう
と思うのも誤解のもとになります。
症状があればもちろん、
病気を持っていると考えてもまず間違いはありません。
そして、意図する所の検査でひっかからないからといって
安心してはいいけないのです。
数限りなくある細菌やウイルスで
移らないものなんてない、と考えてもいいぐらいあるのです。

セックスをするということは、
例えば一度でも他人が使用した歯ブラシを
使用するのと同じなんだ、と考えれば間違いないのです。
うわ〜、そんなことありえないと思うでしょうが、
例えて言えばこれと全く同じことなのです。
なんども使用した歯ブラシだったらどうですか。
例えが汚すぎると思う人もいるでしょうね。
私の歯ブラシは綺麗です。
なんど使用しても綺麗ですといいはる人もいるでしょうけど、
そういう人とは議論しても始まらないし、
議論する以前の問題なのです。

歯ブラシの細菌検査で虫歯菌の検査をして、
でてこないから安心なんて考える人がいないのと同じく、
虫歯菌だけ歯ブラシにいるわけではないのです。
毎日歯ブラシは熱湯消毒をしているから綺麗です、
と考えている人も、
歯ブラシの隅々まで消毒できるのかな?
と疑問に思う人の方がただしいのです。
症状があれば治療することが大事です。
症状がないとそのままでいいかというと、そうはいきません。

手当たり次第セックスをするというのは、
次々と使用済みの歯ブラシを使い続ける、
または使い回しするのと同じなのです。
これを読むとうわ〜、いやだと思うでしょうが、
やっていることは全くこれと同じなのです。
下ろしたての歯ブラシだって、
お互いにそうであればいいのですが、
その中に古い歯ブラシを一度でも使用したりすると
その細菌やウイルスが混入することになり、
お互いが古い歯ブラシと同じような
細菌ウイルスの住み家になってしまう場合もあるのです。

オーラルセックスも細菌やウイルスが移る事には
なんら変わりないのです。
安心だとか安全だとかそういうこともありえないのです。
接吻も同じようなものです。
これもお互いの古い歯ブラシを使用しているのと同じです。
夫婦で病気は共有しているのに、
歯ブラシだけは共有するのは汚いから絶対いや、
なんていう理屈はなりたたないのです。

これを読んだ人はきっと一度ならず、
相手とセックスしたり、キスをする時、
歯ブラシが頭に浮かぶかもしれませんね。
艶消しの話、ごめんなさい。
それでも、セックスは歯ブラシの共有と同じなのです。


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2006年12月18日(月)

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