月田清博さんが日中に築く美の掛け橋

第31回
美容師ってどんな仕事?

皆さん、美容師ってどんな仕事だと思いますか?
男性の方は、「女性に囲ませていいな!」
と思いますでしょうか?
女性の方は、「いつもお店でおしゃれ出来ていいね!」
なのでしょうか?

美容師は技術が必要な仕事です。
技術をおぼえるためには、いくつかのハードルを、
越えなくてはいけません。
高校を出て(ほとんどの美容師は大卒ではありません)
美容学校に入学。
美容学校は卒業まで2年間かかります。
やっと卒業して、国家試験を受け、美容室に就職します。
ここで一つ目のハードルがあります。
良い教育を受けられる美容室に就職することなのです。
残念ながら、すべての美容室が「良い教育」を
従業員に与えられる環境にはありません。
人気のある美容室の競争倍率はかなりのものです。
美容学校も、年々カリキュラムが進化していますので、
昔に比べ、卒業時点での技術レベルは非常に高くなっています。
しかし、現場でお客様を担当できるレベルにはとてもありません。
どういう美容室に就職するかで、美容師としての人生が、
大きく左右されます。
又、美容師の国家試験が、今の美容室の現状にあっていない
部分が大きいため、卒業後役に立つ技術に、
教育を集中できないのも、各美容学校が教育の内容に悩む、
原因のひとつではないでしょうか?

お目当ての美容室に就職した後、
まずはシャンプーの練習を始めるのが、一般的です。
女性の方でしたら、美容室のシャンプーの
気持ちよさはご理解頂けると思います。
うまいアシスタントがシャンプーすると、
お客様はとても幸せな気分を、味わうことが出来ます。
逆に、へたくそなアシスタントが付いたら最悪です。
「もうやめて!」と言いたくなるような苛立ちを感じます。
シャンプーも指名を頂けるぐらいうまくなる頃、
2つ目のハードルが訪れます。
「手あれ」です。
アレルギーのあるアシスタントなどは非常につらい思いをします。
冬など手を「グー」にするだけで、
手のしわのすべてから血が出てきます。
この段階では、病院にいくと
「職業の変更」をやんわりと言われます。

「手あれ」を乗り越え、晴れてデビュー
(カットが出来る)した後も、大きなハードルがあります。
多くの美容師は、いっぱいの指名のお客様に囲まれ、
華やかに仕事をすることを望みます。
そのために、何年もかかる、トレーニングに耐えてきました。
そうです。
頑張っても、頑張っても、指名のお客様が増えないのです。
「壁」と言っています。

お客様をスタイリストとして担当するようになると、
技術だけではなく、「見た目」「トーク」「まわし方」など、
アシスタント時代には、あまりハードルにならなかったことが、
非常に重要になって来ます。
お店によっては、アシスタントたちの教育も
仕事なのではないでしょうか?
ひとつのハードルを越えるたび、美容師の人口は減っていきます。
離職率の非常に大きな仕事です。
キャリアと、人数は反比例していきます。
私の美容学校時代の友人で、美容師を続けているのは、
ほとんど居ません。
「好きじゃないとやれない!」と業界で言われるのは、
しょうがないのかも知れません。

ただ、ハードルを越えて、がんばった人たちにとっては、
こんな良い仕事は他にはありません。
好きな仕事をして、お金をもらい「ありがとう」
と言って頂けるのですから・・・・
では、中国の美容師たちはどうなのでしょう?
(次回)


中国の空港で、飛行機まで連れて行ってくれる、
バスの運転手さんです。
お昼時だったのでお弁当が用意されています。
見慣れましたが、最初は、ちょっと驚きました。

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2006年4月18日(火)

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